だが、そこで突きつけられたのは衝撃的な現実だった――。借金を抱えた夫との離婚、モラハラからの脱出、そして熟年婚活。数々の試練を経て、彼女がたどり着いた境地とは。

◆夫の借金返済を迫られ、限界を感じる
――最初に結婚されたのはいつ頃で、当時は何歳でしたか。吉田ななみ(以下、吉田):23歳のとき、以前の職場の先輩と結婚しました。25歳で息子を出産しましたが、息子が3歳のときに調停離婚しています。
結婚後しばらくして、夫が大きな借金を抱えていたということを知らされたからです。当初は肩代わりしてくれると話していた夫の両親が、息子が生まれて間もなく、「自分たちの生活も苦しいから、返済してくれないか」と言い出して。
「借金を作った本人ではなく、どうして私に言うんだろう」と思いました。借金を押し付けているにもかかわらず、何食わぬ様子で会いに来る始末。次第に顔を合わせること自体が苦痛になっていきました。
それでも夫は、他人事のように知らん顔をしているんです。「もう無理だな」と思って、別れることにしました。
――その後、しばらくシングルで息子さんを育ててこられたんですか。
吉田:はい。息子が自立するまでは、一人で育てようと決めていました。
お付き合いした方はいましたし、結婚を望んでくださる方もいました。でも、その都度お断りしていました。当時は学費を稼ぐために必死で、誰かと新たな家庭を築く余裕がなかったんです。
◆優しかった彼が豹変…同居後にモラハラ被害に
――その後、再婚した相手がモラハラ気質だったとのことですが、その経緯を教えてください。吉田:2022年に、共通の趣味を通じて知り合った2歳年上の男性と、3年間の交際を経て同居を始めました。彼も離婚歴があり、入籍はせず、名字も変えないまま、世帯を一緒にする事実婚の形でした。
交際中は、本当に優しい人で。でも、一緒に暮らし始めてから、少しずつ様子が変わっていきました。折りに触れて急に怒鳴りちらし、ときには無視されるようになったんです。
ある日、パートナーの加齢臭でシーツの臭いがきついなと思って、洗濯しようと取り替えたことがありました。そうしたら、「俺がいない時に勝手に寝室に入るな」と怒られてしまって。
同居は、お互いの家具や家電を持ち寄る形でした。私が気に入っていた掃除機について、「俺が持ってきたものがすべてだ」と言われたこともあります。もちろん理由ははっきりしない。理不尽ですよね。
自分の気に入らないことがあると、ため息をつくんです。その姿を見て、「あれ、お付き合いしていた頃とは違うな」と感じました。
不可解なのは、翌朝には何事もなかったかのように、にこやかに「行ってきます」と会社へ向かう。何がきっかけで突然怒り出すのか、まったくわからなくて。常に顔色をうかがうような毎日になっていきました。

