◆50代でも「子ども希望」多数。その現実に愕然
――事実婚を解消後、いつ頃から、どのような動機で婚活を始められたのですか。吉田:半年経った頃です。父と話し合う機会があって、そのときに言われたんです。「リタイア後の生活を考えると、誰か一緒に生活したほうがいい。元夫との生活がダメだったからって諦めるんじゃなくて、ダメだったからこそ、次はいい人と出会いなさいね」って。
母に先立たれている人なので、実感のこもった言葉でした。その言葉が、私の中にすっと入ってきたんです。
私自身も、父が定年退職してからの両親の姿を見てきました。特別なことをしなくても、二人で出かけたり、ただ隣り合って穏やかに過ごしていたり。そういう老後を私も目指したいなと思って、結婚相談所に登録しました。
――結婚相談所に登録した当初、どのような感触を得ましたか?
吉田:登録すると、「新しい会員さんが入りました」みたいな紹介コーナーがあるらしくて、最初の1ヶ月は、びっくりするぐらいたくさんのお申し込みをいただきました。
でも、60代の方からのお申し込みが多かったです。最年長では78歳の方からお申し込みが来たことも。私は、できれば3歳以上離れていない年齢の近い方と出会いたいと思っていたんですけど。
私がお会いしたいと思った男性からお断りが来て、その理由が「年齢がいっているから」と知らされたときは、ショックでしたね。「その人より私は若いのに、どうして?」って。
結婚相談所のコンサルタントの方に聞くと、私と同年代の男性は、若い女性と出会って子どもを望んでいるケースが多い、と言われました。
50歳を過ぎても、子どもをほしいと望んでいる方がこんなに多いんだ、と。本当に、私は世の中のことを知らなかったんだなって、衝撃を受けましたね。
◆お見合いで出会った“クセ強”男性たち
――印象に残っている出会いを教えてください。吉田:自動調理機を買ったと嬉しそうに話す男性がいて。YouTubeでその調理器を紹介している動画を観て購入したそうなんです。「その調理器で何を作ったんですか?」と聞いたら、数ヶ月経ってもまだ一度も使っていないと言うんです。
理由を聞くと、「置く場所をまだ決められなくて」と。しかも、材料を買って、自分で切って、鍋に入れなきゃいけないのが面倒だ、と。それを聞いたとき、「この人には念じたら全部やってくれる超能力家電が必要なのかも」って思いました……(笑)。
68歳の男性で、大学に入り直して勉強されているという方もいました。でも、先生方は自分より年下らしく、「奴らが……」みたいな言い方をされるんです。先生に対するリスペクトがまったく感じられなくて。
もしかして私のことも小娘くらいに思っているのかな、と感じてしまいました。ただ「相手が欲しい」という印象が強くて、尊重し合える関係を築くのは難しいだろうな、と。帰り際に「タクシーで帰りますか」と言われましたが、「私は買い物して帰ります」と、そのまま失礼しました。
同じく60代の方とのお見合いで、まるで茶道の個人講義のような時間を過ごしたこともあります。30代からずっとお茶を習っているそうで、表千家、裏千家、武者小路千家……と主要流派の違いを延々と解説されて。
お店で注文したお茶が出てきても、なかなか「どうぞ」と言ってくださらない。結局、「お茶、飲んでもいいですか?」とこちらから尋ねる流れに。正直、つらい時間でしたね。

