【福島県・企業紹介】「希望の花を、葛尾村で」胡蝶蘭栽培という仕事の魅力を地域のパワーへ

【福島県・企業紹介】「希望の花を、葛尾村で」胡蝶蘭栽培という仕事の魅力を地域のパワーへ

森林の懐に抱かれるようなのどかな山村、葛尾村。この地に新たな希望を灯すため、2017年から胡蝶蘭栽培に挑戦しているのが、かつらお胡蝶蘭合同会社です。現在、同社では、栽培・出荷の作業を担当する方や、管理業務に長く関わってくださる方を募集しています。丹精込めて育てた花を、慶びを待つ人へと送り出す。この仕事の魅力を、採用担当の丸山剛史(まるやま たけし)さんに伺いました。

「希望」の名を冠した胡蝶蘭が並ぶ美しい職場

純白の胡蝶蘭が整然と、何列も並ぶ光景はまるで、どこまでも続く雪道のよう。幾重にも張り巡らされたビニールカーテンをかき分けたどり着いた栽培エリアの絶景に、思わず息を飲みました。花嫁和装「綿帽子」を思わせる大輪の胡蝶蘭につけられたブランド名は「ホープホワイト」。葛尾村の新たな産業として、そして復興のシンボルとして咲き誇ってほしい。そんな希望(Hope)が込められた名前です。

取材時、同社の従業員は、社員の丸山さんほか、パートタイムの栽培スタッフ5名と海外技能実習生6名。栽培スタッフの主な業務は、胡蝶蘭栽培作業と出荷時の梱包作業です。

胡蝶蘭は、冠婚葬祭やお祝い事に欠かせない高価格帯の花き商品。ほんの少しの傷であっても花の価値を大きく損ねてしまいます。さらに、温度・湿度・光の変化に敏感な植物のため、繊細なケアが必要です。

苗からの栽培に要する期間は、約6か月。徐々に伸びていく花茎の形を支柱とワイヤーで誘導し、美しい弓型を描くように育てていきます。花が咲いたら保護カバーをかけ、頃合いを見て花き市場への出荷作業へ。すべて手作業で行われています。

その日、花茎にワイヤーを沿わせる作業にあたっていた女性スタッフさんに話しかけてみました。元々花が好きだったこともあり、花に触れる仕事はとても楽しいと、とびきりの笑顔。彼女の指先を見ていると、花への愛おしみが感じられ、手作業であるからこその喜びが感じられる仕事であることが伝わりました。

復興のシンボルとして注目を集め続ける事業

葛尾村で胡蝶蘭栽培の専門会社を設立する。この思い切った挑戦の原動力となったのは、創業メンバーの村の復興へかける熱い想いでした。

農業や畜産業が盛んだった葛尾村は、原子力発電所事故の影響から、一時は食べ物をつくることが難しい状況に置かれました。村の未来に「希望」を見出すため、新しい産業を興すことは急務でした。地域で安定した雇用を生み出すために、年間を通した需要が確保できる産業であること。そして、地域復興のシンボルとして明るい未来を感じさせる存在であること。そうした条件を重ね合わせた結果、選ばれたのが胡蝶蘭の栽培でした。

「胡蝶蘭は、お祝いの花です。復興のシンボルという特別な意味をもたせる花として、これ以上ないほどぴったりだったのでしょうね」

そう語る丸山さんは、以前は群馬県の会社で長く胡蝶蘭栽培に携わってきました。会社設立のために胡蝶蘭栽培のノウハウをもつ人材を探していたかつらお胡蝶蘭の創業メンバーがその経歴に着目。オファーを受け、葛尾村への移住と転職を決断しました。

胡蝶蘭は手をかけただけ応えてくれる花だと教えてくれた丸山さん。だからこそ、かつらお胡蝶蘭の「評価をダイレクトにもらえる環境」をおもしろいと感じているそうです。

「一般的な大規模花き栽培では市場に出荷されることがほとんどなので、消費者との距離は遠いものです。当社もメインの出荷先は花き市場ですが、事業を応援してくださる方やホープホワイトの評判を聞きつけた方がハウスまで直接買いに来てくれることも少なくありません。その際にいただくお客様目線での正直なフィードバックが、生産者としてのやりがいになっています」

復興のシンボルとしてスタートを切った胡蝶蘭栽培事業は、2018年に復興大臣賞を受賞したこともあり、全国から注目を集めています。県内外の行政機関からの視察も多く受け入れているそうです。

さらに、大規模な胡蝶蘭栽培という県内でも珍しい事業には、働き手を惹きつける魅力もあります。花に囲まれる仕事に就いてみたい。故郷である葛尾村の力になれる場所で働いてみたい。そうした想いをもった人たちがこの事業に関心を寄せ、会社に集まり始めています。胡蝶蘭栽培という仕事はいま、人と葛尾村を結ぶ役割を担い始めているのです。

配信元: Nativ.media

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