「おてつたび」が生みだした、地域との新しい関係性がもたらす”静かで丁寧な”インパクト〜関わりたくなる地域を創る人たち#07〜

「おてつたび」が生みだした、地域との新しい関係性がもたらす”静かで丁寧な”インパクト〜関わりたくなる地域を創る人たち#07〜

3.全国に広げるための鍵は、官民連携とコーディネーターという発想

倉重: ここからは、今後の戦略の話を伺いたいと思います。おてつたびをさらに全国の隅々にまで浸透させるには、何が必要だと思われますか?

永岡: その一つには、やっぱり官民連携というか、地域の側との連携はますます重要だなと思っています。日本各地の地域が少しでも多く次世代に残る未来を作りたいという思いで立ち上がった会社なので、そこはすごく大事にしています。

倉重: なるほど。当然ですが「おてつたび」単独でできる話じゃない、ということですね。

永岡: もちろん、そうです。地域に人を受け入れるためには、様々な準備や、それを維持していくための地域側で担う役割が出てきます。そのための仕組みや体制づくりが必要になってきます。

倉重: 実際にはどんなことが必要になるんでしょうか?

永岡: 例えば、農家のお手伝いに人を受け入れようということになった場合、その受け入れ先が、どんな作業をどのように手伝ってもらうかを企画して整理することが必要です。またそれだけでなく、来てくれた人がどこに宿泊するか、食事はどうするかなど様々なことについて、地域内で役割分担して対応したり、ガイドするなどの「コーディネート」が必要になってきます。

倉重: たしかに。お手伝いすること自体は分かりやすいけれど、地域にそのプログラムを実装しようとすると、やはりいろんなことを考える必要がありますね。飲食や宿泊などは、長期間の滞在では必須です。特に田舎であればあるほど、地域ぐるみの調整が必要になりますよね。

永岡: そうなんです。だからこそ、地域単位で進めた方が、受け入れの機運も高まる相乗効果が生まれると思っています。

倉重: そこにはやはり一定の“手間”がかかります。でもそれを、おてつたびの社員が全国を巡って担当するなんて、すぐには現実的じゃないですよね。一方で、受け入れ側の事業者さんが全部やるのも負担が大きすぎる。だから「中間を埋める存在」が必要になる、という話ですよね。

永岡: そのとおりなんです。そこはやはり、地域の自治体と、民間が持っているノウハウをうまく組み合わせながらやっていくことが重要だと思います。

倉重: 言ってみれば「おてつたびコーディネーター」みたいな人材が必要ということですかね。各地域にそういう人が1人か2人は必ずいるといいですよね。

永岡: そういう世界観を目指したいですね。

倉重: 例えばそれを、地域おこし協力隊とか地域活性化起業人みたいな、国が推し進める仕組みで担えないか、ということも考えられませんか?

永岡: そうですね。私たちとしても、ぜひ自治体の皆さんとそういう仕組みづくりも一緒に進めていきたいなと思っています。

倉重: 今までも、そういうことにも取り組まれてきたんでしょうか?

永岡: なんだかんだ8年やってきて、土台やノウハウを積み上げて今があるので。そうした経験を活かしながら、意欲的な地域とまずは進めていければと思います。

倉重: 永岡さんが、自治体の側に持って欲しい考え方などはありますか?

永岡: そうですね、皆さん既にそう思ってると思いますが、やっぱり地域の関係人口は、どこかの企業1社だけがとか、自治体だけでとか、ましてや誰か一人が頑張ればできるというものではありません。それぞれの役割をうまく組み合わせて、点を面で繋げて、地域全体で受け入れる体制をとれるかどうかが本当に大切だし、そうでないと実現できないなと思います。

倉重: なるほど。そこが整うと、魅力的な関わりしろが地域単位で育っていきやすいということですね。そのためには官と民の役割をうまく組み合わせることが、これからますます重要になりそうです。

永岡: 本当にそう思います。私たちもそこに注力していきたいと思っています。

倉重: よくわかりました。ありがとうございました。

[おてつたびで活動するユーザー「おてつびと」の様子]

編集後記

今回の取材で非常に強い印象を受けたのは、「おてつたび」の価値がその創業時の思いに深く根ざした、地域と人を結びつけることそのものにあるということです。そしてその意味を非常にうまく表現しているブランドと、その価値をうまく受け取ったユーザーが数多く集まる場所を丁寧に積み上げて作ってきたからこそ、この時代の変化の風を受けてこれほど大きく広がってきたんだろうと感じました。私たちが何気なく使う「お手伝い」という日本語の意味の深さを、サービスの真価と直結させたことが、まもなく10万人というユーザーを惹きつけた原動力に違いないと確信しました。 また同時に、ここまで育った、ある意味非常に「日本らしい」サービスをさらに広げるには、日本各地でそのプログラムをアレンジする役割を担う人と、それを支える自治体や事業者との協働を進める体制が必要になります。まさに来年度から本格的に進む「ふるさと住民」に関わる仕組みづくりとも相まって、このことに注目し、歩みを進める地域が広がっていくことを願わずにはいられません。また我々もそうした動きの一助になりたいと、改めて強く思いました。

文責:ネイティブ.メディア編集部

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