人が亡くなったあとのプロセス
ここから先は、死んだことを確認するプロセスにうつります。医療機器を外し、挿入されていた管の類を抜き、身体をきれいに整え、お見送りをするプロセスです。
多くの場合で看護師が発見&報告し、医師により確認がおこなわれます。呼吸停止・心その時を確認する停止・瞳孔散大を確認し、カルテに時刻を記すんです。この時刻が、死亡時刻になります。これは、死亡診断書にも書く大事な事項です。
話がちょっと逸れますが、日本では死亡してから24時間は火葬してはいけないと法律で決められています。これは死亡診断を受けた人が、蘇生する可能性が絶対にないことを確認するため。他の国、宗教でも似たような話があるのを聞いたことがある人もいるかもしれません。
実際に人が亡くなるときって、ドラマみたいにピーッと脈拍が0になる人もいれば、にわかには信じられないかもしれませんが、0になったりまた復活したりを繰り返すという人もいるんです。わたしの直近のお看取りも、30分くらい0になったり復活したりを繰り返していました。三途の川を行ったり来たりしていたのかもしれませんね。
いまの医療技術、診断基準で死亡を確認してはいますが、それでも生き返る人がいないことを確実にしておきたい、そのための24時間なんだと、わたしは捉えています。
死亡確認のリアルな現場
この死亡確認、ご家族をはじめ本人を大切に思われている方々に囲まれた状態でおこなうのが望ましいとされています。
別れの場に同席することで別れを実感できること、悲しみや悔しさであってもそのときの感情を表出することは、遺された人たちにとってもポジティブな効果があると考えられているんです。場合によっては、親族が揃うまで数十分〜3時間ほど別れの時間を設けることもあります。
心臓が止まった時間=死亡時刻ではない
死亡時刻も、心臓が止まった時間だと思われている方が多いと思いますが、厳密には医師が死亡を確認した時間となります。そのため、遠方からの親族到着を待って家族全員揃ってから死亡確認し、その時間を死亡時刻とする、ということも往々にしてあります。心臓が止まった時間=死亡時刻ではない、ということです。
死に際に家族がそばにいられないときは…
くわえて、高齢社会の昨今です。高齢者のキーパーソンも高齢者、というパターンも増えてきています。夜中や早朝にその時が来てしまい、今から来てくださいと言われても、タクシーに乗ることすらままならない人もいます。そんなときは、こちらで死亡確認させていただくこと、処置やケアも終わらせてしまうこと、明るくなってから病院にいらしてほしいこと、できたらそのときに予め葬儀社さんと打ち合わせしておくと、ご遺体をそのまま搬送してもらえるので二度手間にならないこと、などを電話でお伝えし了承を得ることもあります。
どうしても死に際にそばにいたいという人もいるでしょうが、こんな時間にそんなことを言われてもこちらだって仕事や生活があるし困るという人もいます。どちらも、等しく正しいと思うのです。
高島 亜沙美
看護師/保健師
