大手メーカー会社員(52)「泥臭く会社にしがみつくのも立派な選択です」早期退職の〈退職金2,000万円増額〉を拒否し、毎月の給料に安堵したワケ

大手メーカー会社員(52)「泥臭く会社にしがみつくのも立派な選択です」早期退職の〈退職金2,000万円増額〉を拒否し、毎月の給料に安堵したワケ

上場企業の約7割が「黒字」でもリストラする時代

辞内さんのような選択を迫られる場面は、今や珍しくありません。

東京商工リサーチの調査によると、2025年に「早期・希望退職募集」を行った上場企業は43社にのぼり、募集人数は1万7,875人に達しました。この数字は、前年と比べて約8割増加しており、リーマン・ショック以降で3番目の高水準です。

重要なのは、募集企業の約7割が直近の決算で「黒字」であるという事実です。企業が倒産寸前でリストラをするのではなく、体力があるうちに中高年社員を削減し、新陳代謝を図る「黒字リストラ」が完全に定着しました。三菱電機やパナソニックHDなどの大手企業が数千人規模の募集を行う背景には、こうした構造改革の意図があります。

早期退職に応募して割増金を得るのも一つの道ですが、それは同時に「大企業の正社員」を手放すことも意味します。再就職市場における50代の現実は厳しく、辞内さんのように「しがみつく」選択は、リスク回避の観点からは極めて合理的といえる側面があるのです。

[参考資料]

 東京商工リサーチ「2025年 上場企業『早期・希望退職募集』状況」

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