【イラン攻撃】アメリカとロシアを同じ基準で批判できない国際社会の「現実」/倉山満

【イラン攻撃】アメリカとロシアを同じ基準で批判できない国際社会の「現実」/倉山満

◆国際社会は今も昔も戦国時代

ただし、国内法と同じようなものだと勘違いして、「人類の理想だ」などと誰かが考えたプロパガンダを本気にすると、火傷する。

そして、世界はいつの時代も、徹頭徹尾、力の論理で動いている。力の根本は軍事力であり、軍事力に基づいて敵味方に分かれている。今の世界は米国陣営と中露陣営。要するに世界は、今も昔も変わらず、戦国時代なのである。

さて、我が国の選択である。米国との同盟以外に、選択肢があるのか。無い以上、甘い考えで「ロシアと米国のやっていることは同じ」などと口走るべきではない。少なくとも政府関係者は。ただし、精神の奴隷になる必要はない。こういう場合、同盟国友好国の行動への懸念は、政府与党系の民間シンクタンクが発信するものだ。だが、自民党(日本政府の一部である)のシンクタンクは官僚機構である。こういうこともあるので、日本でもシンクタンク文化を定着させる必要がある。

◆イスラエルがアメリカを引きずっている

それはさておき、侵攻の定義は「挑発もされないのに先制武力攻撃をすること」である。何が「挑発」かの解釈権は、各々の主権国家に委ねられている。つまり、挑発されたと決めつけて攻撃しても、制裁されない限り、何をしても良いのである。

イスラエルは国際法違反の常習犯として指弾されることが多い。しかし、気にしていないようだ。イスラエルは、「国の周り、すべて敵」の状況で生きてきた。己を守るものは一に軍事力、二に諜報力だと信じていて、隠しもしない。三に外交力だが、頼れるのは米国だけ。その米国すら、いざとなれば助けてくれる保証など無いと覚悟している。

以上を踏まえて、今回の米国とイスラエルのイラン攻撃である。宗教原理主義国家イランの独裁者であるハメネイ師を空爆で殺した。私には、イスラエルが米国を引きずっているようにしか見えない。いくつか事実を並べてみよう。


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