【イラン攻撃】アメリカとロシアを同じ基準で批判できない国際社会の「現実」/倉山満

【イラン攻撃】アメリカとロシアを同じ基準で批判できない国際社会の「現実」/倉山満

◆あまりに準備ができていないアメリカ

開戦前、米国はイランと核・ミサイル放棄の交渉と同時並行で、空母二隻を中東に派遣、もう一隻も移動中だった。と言っても、もともとこの地域からベネズエラに派遣していただけであり、戻しただけとも言える。そもそも、ベネズエラの戦後処理が始まったばかりである。「なぜ、このタイミングで?」が浮かぶ。

当たり前だが、空母だけでは、占領はできない。米国はハメネイ討伐後の戦後秩序を、どう考えていたのか。体制転覆後、親米政権を樹立しなければ意味が無いが、それには地上軍の投入が必要である。

イラン政府は、報復として米軍基地にミサイル攻撃を仕掛けている。ホルムズ海峡も「封鎖する。通る船は攻撃する」と宣言、周辺諸国は近づけないで大迷惑。中東在留米国人にも、攻撃の後に退避勧告。米国、あまりに準備ができていない(したら奇襲効果が無くなるが)。

◆アメリカが融和姿勢を見せた直後の攻撃

何より、和平交渉中だった。一瞬、米国が融和姿勢を見せた2月27日の直後、28日にハメネイが側近たちと一か所に集まって会議をしていた。ハメネイはすべての独裁者と同じように、慎重に自分の居場所を変え続けた。それが捕捉され、28日にイスラエルの攻撃で死去。

常にイランの脅威に苦しめられているイスラエルが、「千載一遇の好機を逃すな」と独走したとしたら? 米国にもついていかない理由は無い。子分が必死で戦っている時に一緒に戦わないと親分ではいられない。

翻って我が国。米国の従属国のように振舞うばかりだが、親分を振り回す事も考えてみたら?

―[言論ストロングスタイル]―

【倉山 満】
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
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