夫の執念がついに妻を破産に追い込む
夫は、金融機関に預けていた4000万円を現金化する。タンス貯金であれば誰の目にも触れないため、妻への相続を阻止できると考えたのだった。4000万円を金庫に入れた。しかし、である。数か月後、隣の家に泥棒が入ると、夫は自宅に大金があることに恐怖を覚える。
そこで夫は、地方の金融機関の貸金庫に目を付ける。規則的には貸金庫に現金を預けてはいけないのだが、「バレはしないだろう」と契約し、こっそり4000万円を入れた。貸金庫のカードやカギなどは、誰もわからない場所に隠した。
しかし1年後、夫は末期がんとなってしまう。医者からは余命を伝えられ、入院すると、あっという間に危篤状態となる。一方妻は、夫に多額の貯蓄があることを知っていた。別居する前、夫の通帳をこっそり見ていたのだ。
夫の末期がんを知ると、妻は贅沢三昧の生活を送るなど散財し始める。消費者金融に手を出すのも気にならなかった。近く遺産が入るからだ。
妻の思惑通り、夫はあっけなく死んでしまう。ところが、意気揚々と通帳のある金融機関に問い合わせをするも、口座は解約されていた。貸金庫の存在はまったく知る由もない。
途端に、妻は借金の返済に追われる身となった。しかし、どうしようもない。妻は破産するしかなかった。
遺留分を渡したくない…「財産を隠す」という復讐
夫婦の財産は、どちらかが亡くなれば、配偶者と子供が相続することになる。子供が2人いれば、配偶者が2分の1、子供は4分の1ずつとなる。
夫婦円満であれば、それでまったく問題はないだろう。しかし、今回の夫婦のように仲が悪い場合は、「あいつには財産を渡したくない」ということになる。その結果、財産を隠すという行動に出るケースもあり得るだろう。
そこで、日頃から相手の口座をチェックし、銀行名、支店名、残高をメモしておきたい。また、銀行や証券会社、保険会社からの郵便物などで隠し財産を把握することも可能だ。
ただし、これらは別居してしまえば知ることは難しくなる点に注意したい。しかし、できるならば夫婦円満を目指してほしい。
永峰 英太郎
