「60歳からの人生を自由に楽しむために」50代でやっておくべきこと、手放していいこと

「60歳からの人生を自由に楽しむために」50代でやっておくべきこと、手放していいこと

元「とらばーゆ」編集長でライフシフト・ジャパン取締役CMOの河野純子さんが自身の豊かな半生と多岐にわたる取材を基に『60歳の迎え方』を上梓。人生100年時代を見据え、50代から見つめ直すべき働き方や暮らし方の秘訣をお聞きしました。

52歳の転機、雇われる働き方を定年まで続ける?

52歳の転機、雇われる働き方を定年まで続ける?

「人生100年時代の新しいライフデザイン」を提案している、ライフシフト研究者の河野純子さん。「50代はかなりジタバタしていましたが、60歳を迎えた今、ようやく自分が本当にありたい姿にたどり着きました」と目を輝かせます。

そんな河野さんの、人生最大の「ライフシフトの旅」が始まったのが、52歳のとき。

リクルートで『週刊住宅情報』(現SUUMO)副編集長、『とらばーゆ』編集長、女性のライフ&キャリア研究チーム長(兼務)を経て、44歳で住友商事に転身。そこから8年。会社員として働き続けることに限界を感じ始めた頃のことでした。

当時、住友商事で幼児向けのグローバル教育事業の立ち上げに、全力を注いでいた河野さん。本部のトップが変わったことにより、急きょ事業にストップがかかり、4年かけて築き上げた新規事業を売却せざるを得なくなったのです。 

「そのときの私は、『この仕事をするために生きてきたんだ!』と思えるぐらい、教育事業に熱中していたので、かなりショックを受けて。雇われる働き方をしている限り、こういう納得いかないことが起こってしまう……。会社員という働き方に限界を感じ、そろそろ卒業のタイミングなのかも、と思い始めました」

ただ、会社を辞めたとしても、この先、何をやりたいのかがわからない。世の中を良くするような新しい事業を起こしたいと思いつつも、明確に「これだ!」というものを見つけられず、半年ほどグズグズと悩んでいた、と言います。

「会社には優秀な人材もいますし、資金力もあります。一から新しい事業を始めるなら、会社に居た方が実現しやすいとも思いました。実際、自営業をしている夫からも『辞めるのはもったいなくない?』と言われたりして。

これまでの経験上、一つの事業を立ち上げて軌道に乗せるまでに5年ぐらいかかります。そのとき私は、57歳。そこから外に飛び出すのはハードルが高くなりそうと思いました」

53歳で退職、大学時代に断念した「海外留学」へ

53歳で退職、大学時代に断念した「海外留学」へ

揺れ動く河野さんを決心へと導いたのが、書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社刊)。

「この本を読んだとき、『ああ、今や人生は100年になったんだ』と、新たな気付きが生まれて。本に書かれているように、もし85歳まで働くとしたら、あと30年以上も残されている。だったら、今すぐやりたいことを決めずに、“学ぶこと”から始めればいいと思ったんです。そう考えたら、会社を飛び出すことが不安じゃなくなりました」

9年勤めた住友商事を53歳で退職。2、3年は新たなことを学びながら、「これだ!」と情熱を注げるものを探そうと決めた河野さん。最初に選んだライフシフトの旅先は、大学時代に断念した「語学留学」でした。

まずはフィリピンで3週間、英語のマンツーマンレッスンを受けた後、アメリカ・オレゴン州のポートランドへ。3か月間、滞在しました。

現地の人たちの自然と共生するサスティナブルな暮らしと、ゆったりと流れゆく日常は、それまで分刻みのスケジュールで生きてきた河野さんに「本当の豊かさとは何か」という大切な問いをプレゼントしてくれたそう。語学を学ぶ以上に、人生観が広がる体験となったと語ります。

帰国後は、「ソーシャルイノベーション(社会課題を解決するための事業づくり)を学ぶため、慶応義塾大学大学院へ。そこで「人生100年時代のライフデザイン」という研究テーマと出合い、深めることに。

と同時に、リクルート勤務時代の上司・先輩が立ち上げた「ライフシフト・ジャパン」(人生設計の支援会社)に参加。自分らしい生き方を始めた、多くのライフシフト実践者にインタビューを重ねていきました。

50代から自分のやりたいことを始めた人たちは、“子どもの頃からの夢”や“人生でやり残していること”を思い返し、そこに向かって生き生きとチャレンジしていました。じゃあ、私にとってそれは何だろうと振り返ったとき、浮かんできたのが『インテリア』だったのです」

配信元: HALMEK up

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