18年の介護を経て親の看取り後に相続した築56年の実家。空き家4年、管理費は約100万円に。「このままでは限界」と感じた50代主婦が、売却でも放置でもない“貸す”という選択に至るまでの体験談を綴ります。
50代主婦・まいこさんの体験談シリーズはこちら
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築56年の実家を前に、答えが出なかった4年間

親の看取りを終え、相続した築56年の実家。
介護施設への入居で人が住まなくなってから、気付けば空き家歴は4年になっていました。
月1回の換気や通水、庭の手入れ。誰もいない家でも、手間と時間はかかります。固定資産税なども含めた維持費は、この4年で約100万円。
「このまま空き家で持ち続けるのは、もう限界かもしれない」。そう感じたのは、母の四十九日を終え、遺骨を実家のリビングに置いた日でした。
「ねえ、お母さん。この家、どうしよう」母の位牌を前に途方に暮れたことを覚えています。
売却をすすめられても、心が追いつかなかった理由

最初に行ったのは相続登記(名義変更)です。母の名義のままでは、認知症の影響もあり、売却など大きな決断が進められませんでした。名義が私になったことで、売る・貸すの判断を現実的に進められる状態になりました。
次に、不動産会社に査定を依頼しました。「売る」「貸す」どんな選択肢があるか、具体的な金額を知りたかったからです。地元の大手不動産屋さんと中堅不動産屋さん2社に売却額の査定をお願いしました。
築年数が古いため、家の資産価値はゼロ。土地の資産で計算されます。査定額に大きな差はなかったものの、2社とも基本は「売却」をすすめるスタンス。
理由の一つが、相続した空き家を売却した際に、条件を満たせば譲渡所得から最大3000万円を控除できる特例があることでした(相続空き家の3000万円特別控除)。
ただ、制度は期限や要件が細かく、相続開始の翌日から3年後の年末までに売却を済ませないといけません。3年後にはこの家が私の手元からなくなる……。そのことがイメージできず、売却の提案を受け入れられないまま「持ち続ける方法」を考え続けていました。

