増加する資産1億円以上の富裕層と、現金化の心理的ハードル
2025年に株式会社野村総合研究所が発表した最新の推計データ(2023年時点)によれば、純金融資産1億円以上を保有する「富裕層・超富裕層」の世帯数は、合計で約165.3万世帯にのぼります。前回推計の2021年から約11%増加しており、貯杉さんのように一般的な会社員から地道な資産運用を経て1億円に到達するケースも、一定数存在すると推測できます。
また、金融広報中央委員会(現・金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」における単身世帯のデータを参照すると、金融資産の保有額が多い層ほど、資産全体に占める有価証券の割合が高まる傾向が読み取れます。
預貯金と違い、有価証券は常に価格変動リスクを伴います。とくに定期的な給与収入がなくなるリタイア後の生活においては、相場の下落局面に直面した際、資産を取り崩すことへの心理的なハードルが高くなるのかもしれません。
有価証券の売却が将来の生活基盤を揺るがす行為のように感じられ、過度な節約に走ってしまうケースも少なくないと考えられます。
数字上の資産額だけでなく、リタイア後も心の平穏を保ちながら生活できる現実的な取り崩しの計画が、これからの単身FIRE層には必要になってくるのではないでしょうか。
[参考資料]
株式会社野村総合研究所「日本の富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産総額の推計(2025年)」
金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
