そう語るのは、漫画家のまんきつさん。アルコール依存症の実体験を赤裸々に描いた『アル中ワンダーランド』(扶桑社)や、体当たりの美容エッセイ『そうです、私が美容バカです。』(マガジンハウス)で大きな反響を呼んできた。そんな彼女が、次に選んだテーマは「休み方」だ。

◆「休む」をテーマに新連載。漫画家まんきつが語る、何もしない贅沢
──『そうです、私が美容バカです。』の連載が一段落した後、本当は漫画をお休みする予定だったそうですね。まんきつさん(以下、まんきつ):2025年夏、連載がひと区切りを迎えたとき 「1年くらいは締め切りから解放されて、のんびり過ごそう」と決めていたんです。いっそ漫画以外のアルバイトでも始めようかと思っていたタイミングで、扶桑社・担当編集の高石さんから「連載しませんか」とお声がけいただいて。
──もし連載の話がなかったら、どんなアルバイトを?
まんきつ:よく行くスーパーに、すごく気さくで魅力的な女性店員さんがいたんです。雰囲気が「インリン・オブ・ジョイトイ」さんみたいな。お年寄りから若い子まで、みんな彼女と親しげに話していて。その人に興味が湧いて。というより、なぜかその人がレジに立っていると、ふらふらと吸い寄せられるようにその列に並んでしまうんです。もう少し話してみたい、どんな人なんだろうと知りたくなって。 同じスーパーに履歴書を送ろうとしていました。
でも、彼女は異動したのか、レジで見かけなくなってしまって。それで働く動機が消えてしまいました……。ちょうどそのタイミングで、新連載が入ってきた感じです。
◆「アホになれる人」は休み上手。罪悪感に勝てたら成功
──今回の新連載は「休む」がテーマです。まんきつさんの考える「休むのが上手い人」とは、どんな人でしょう。まんきつ:「休み」って、本来は生産性がないものですよね。だから「生産性がない=悪いこと」と捉えていると、休むのが下手になってしまう。「何もしないという贅沢を味わっているんだ」とポジティブに変換できる人は、休むのが上手だと思います。極端な話、一日中、なんとなく床に転がっていても自分を否定しない。「アホになれる人」こそが、上手に休める人ではないでしょうか。
──ご自身は、「生産性のなさ」を満喫できるタイプですか?
まんきつ:もちろん、ものすごい罪悪感はありますよ(笑)。でも、休むと決めたら効率なんて一切考えません。平気で15時間くらい寝る日もありますし、一日中、犬の寝顔を眺めていても苦じゃない。「年をとると長く眠れなくなる」なんて言いますが、私は全然そんなことなくて。
とはいえ、どこかで「これでいいのか?」と思うことはあります。 罪悪感に勝てたら、もうそれだけで十分です。休みはだいたい成功だと思います。
──休むことに罪悪感がある人でも、慣れれば休めるようになると。
まんきつ:なると思います。寝てしまえば何も考えずに済みますから。罪悪感を忘れるためにも、まずはお風呂に入ってしっかり寝てほしい。私自身、今はもう「寝すぎた!」と後悔することもなくなりました。というのも、本当にたくさん寝ると、翌朝の肌の状態が全然違うんです。びっくりするくらい違う。美容漫画をやっているので、寝ることを半ば免罪符にしている部分もありますけど 。

