アメリカで30分完売。「KUSUMI Color」で世界を魅了する群馬のパンジー・ビオラ

アメリカで30分完売。「KUSUMI Color」で世界を魅了する群馬のパンジー・ビオラ

花から「選ばれる」瞬間

選抜が行われるのは、毎年10月。3人は毎週末、群馬のハウスを訪れ、朝から夕方まで花と向き合う。どれも美しいからこそ、選ぶのは簡単ではない。

ビオラの選抜
ハウスに並ぶ何千という小さな苗に咲く、数輪の花から選抜が行われる。

「それでも、遠くからハウスを見渡していると、ふと目に留まる株があるんですよ。まるで花から呼びかけられているような瞬間があるんです」と兼岡さん。

ビオラの新品種
今年の新たなスター候補たち。見学会参加者の意見も取り入れ、新品種が選ばれていく。

3人はそれぞれの感性で選ぶが、ときには3人全員が同じ株を選ぶこともある。そんな「スター選手」でも、必ずしも商品になるわけではない。3人が選んだ株の中から、さらに佐藤さんが株としての性質や生産の安定性を見極める。そして市場にデビューするのは、ほんの一握りだ。

ワクワクから責任へ

3人はもともと、愛好家として花を選んでいた。店でサトウ園芸の花を選ぶときのワクワク感には、他の花にはない高揚感があったという。しかし、セレクターとして選抜に関わるようになってからは、その気持ちに責任感が加わったと小林さんは話す。

パンジー‘ローブ・ドゥ・アントワネット’シリーズ
2018年から本格販売し、ロマンチックな色合いが絶大な人気を誇るパンジー‘ローブ・ドゥ・アントワネット’シリーズ。

「キレイなだけじゃなくて、いかにこれまでにない個性を見つけられるかが鍵」

その真剣な眼差しが、‘ローブ・ドゥ・アントワネット’誕生へと導いた。小林さんが発掘したその個性は、ブランドを代表する顔となり、今や海外で最も人気の高いシリーズになっている。

サトウ園芸のパンジー
クリーム色の花弁の奥に、紫とブロンズが溶け合うように広がり、光や角度によって表情を変える花。

「花が好きで、自分たちのいいと思う花を一生懸命に選んでいたら、海外でも注目されるようになって。何が嬉しいかって、たくさんの人と感性を共有しあえることなんです。花って、言葉がいらないんですよ」と橋本さん。

美しいものに、心は共鳴する。その共鳴は今、海を越えて広がっている。

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