◆外出中は「マスクの扱い」を丁寧に
非常に深刻な2026年の花粉飛散にあたり、私達も相応の対処が求められるだろう。だが、そこでやり方を誤ってしまえば元も子もない。ここからは1日を通じて「やりがち」な行動のNG例とその理由、どう改善すべきかを飯島院長に伺っていく。「まずは朝から。換気のために窓を全開にしたり、布団や洗濯物を外に干したりは、大量の花粉が室内に入り込むので控えましょう。特に午前10時〜午後3時頃は飛散のピークなので避けたい時間帯です。また、外干しの布団や洗濯物には花粉が着き、取り込むと家の中が花粉だらけになります」
これに対しては、花粉の少ない早朝や夜間に短時間だけ、窓を少しだけ開け、網戸や花粉フィルターを活用して換気すると良い。布団や洗濯物は可能な限り屋内で干し、外干しした物は取り込む前にしっかり花粉を叩き落とすことだ。
「次に外出時。マスクや眼鏡を着用し、服装も花粉の付きにくい素材を選ぶと安心です。ただしマスクについては鼻出し・隙間だらけで着用したり、布製マスクを使ったりはやめましょう。マスクは鼻を出していたり隙間が空いていると、そこから花粉が侵入して防御力が激減です。布マスクも不織布に比べ花粉を通しやすいので奨められません。さらに目や顔を手でこすると、花粉を粘膜に押し付けてしまい症状が悪化します。乾いたタオルでゴシゴシ拭くのも肌を傷め逆効果です」
対策として、まずはマスクを丁寧に扱うべきだ。不織布マスクを隙間なく着用し、外す際も表面に触れないよう耳ひもを持って外そう。花粉用メガネやサングラスで目を保護するとより安心。目鼻がかゆくなっても絶対に擦らず、涙や鼻水は押さえる程度。携帯用の人工涙液で目を洗い流すのも有効である。また、花粉が付いた顔や肌は、可能であれば外出先でも、水やぬるま湯で優しくこまめに洗顔・手洗いしておきたい。
◆帰宅後や薬の服用にも要注意
「続いて帰宅後ですが、 帰宅して衣服についた花粉を払わずに室内を歩き回ったり、外出着のままソファや布団に座らないよう注意してください。外から持ち込まれた大量の花粉で、室内環境まで汚染されてしまいます。室内でも花粉が再飛散して症状が長引く原因になりますし、寝具に花粉が付くと就寝中も花粉に晒され、鼻づまりで熟睡できないので睡眠にも悪影響です」室内ですら花粉に侵略されてセーフゾーンでなくなるのは、何とも恐ろしい話である。飯島院長は改善策として、玄関先で上着や帽子を脱ぎ、衣類は念入りに払い落としてから室内に入るよう奨める。払うときは雑に手で払うのでなく、濡れタオルで叩くように拭うと花粉が舞い上がりにくい。髪や身体に付着した花粉は、可能なら帰宅後すぐシャワーを浴びて洗い流すと効果的である。
「少なくとも顔や鼻は洗い、うがいもして喉についた花粉も落としましょう。着替えた後は空気清浄機や掃除で室内の花粉除去を行い、就寝前に加湿しておくと鼻喉が楽になりますよ」
ここまでは一日を通じて花粉を避けるコツを紹介してもらったが、それとは別に医薬品で症状を抑える方法もある。この時の注意点は何か。
「花粉症対策用の抗ヒスタミン薬などは、症状が出る前から毎日服用してこそ最大効果を発揮します。症状が辛い時だけ都度薬を飲むと、効き目が追いつかず『効かない』と感じる原因になります。また、複数の市販薬を自己判断で併用すると成分重複による副作用リスクも。加えて、即効性を期待して鼻づまりスプレー(血管収縮剤の点鼻薬)を何度も使うと、粘膜の『慣れ』によって逆に鼻づまりが悪化する恐れがあり危険です」
推奨は初期療法として、花粉飛散の1〜2週前から医師指導のもとで薬を服用し、シーズン中は症状が軽くても定期的に飲み続けることだ。これでピーク時の症状を大幅に抑えられるという。市販薬の使用時は種類を一本に絞り、用法用量を厳守。点鼻薬の血管収縮スプレーは連用しないようにし、長引く鼻づまりはステロイド点鼻薬など医師に相談して、根本的に炎症を抑える治療を選んだ方が良い。
「そのほかセルフケアとして、鼻の中や周りにワセリンを塗る方法もあります。鼻腔入口に薄く塗れば花粉を絡め取って吸入を減らせるとされ、安全性も高いです。鼻をかむときは片方ずつ優しく行い、決して強くすすらないようにしましょう」

