育児に非協力、酒癖の悪さ、モラハラ、生活費の締めつけ……。長年の不満を押し殺してきた妻たちは、子供の独立や老後を見据え、数年前から着々と準備を進めているケースも少なくない。
当人たちの証言から、密かに進む妻たちの“熟年離婚計画”の実態に迫った。
◆夫に対する不満を押し殺しながら生きてきた
![夫は見てはいけない 妻たちの[熟年離婚]計画](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2026/3/1773014600006_i6llkjdmrrn.jpg?maxwidth=800)
こう話すのは一回り以上年上の夫(61歳)と高校生の長女、中学生の次女と暮らす高木裕美さん(仮名・48歳)だ。結婚したのは27歳。直後にマイホームを購入し、温かい家庭を築いてきたように見えたが……実際には長年にわたって夫に対する不満を押し殺しながら生きてきたという。
「離婚を考えるようになったのは次女が生まれてから。育児に参加せず、家事も手伝わずに飲み歩き、酔っぱらって帰ってきては、『子供をおとなしくさせろ』と文句を言っていた夫の姿を鮮明に覚えている。ほかには『メシ』『風呂』など単語しか発さない夫が嫌になり、それ以降、寝室を別にしました。1年前に夫が定年退職してから再就職先を見つけるまでの1年間はずっと自宅にいたので地獄でした。死んでも夫の介護なんてしたくないので、娘と母には『もう離婚する』と伝えてあります。それ以来、娘たちは気を使って、家族4人で外食に出かけるときなどは、私と夫が並んで歩くことがないよう、脇を固めてくれるようになりました(苦笑)」
現在、裕美さんは離婚後の生活を視野に仕事を増やすことを検討しているという……。
◆コロナ禍をきっかけに熟年離婚が増加
このように長年連れ添った夫婦の離婚が増え続けている。厚生労働省の人口動態統計月報年計を見ると、’02年をピークに離婚件数は減り続けているにもかかわらず、’14年頃から同居期間20年以上の夫婦の離婚件数はじわじわ増加。近年は4万件超で高止まりしているのだ。離婚カウンセラーの岡野あつこ氏が話す。「’08年から離婚後の財産分与の対象に年金が含まれるようになって女性の離婚のハードルが下がり、コロナ禍をきっかけに熟年離婚が増えました。リモートワークの浸透で日中も自宅で過ごす旦那さんが増えて、夫婦で過ごす時間が増えたことが原因と考えられます。『朝夕の食事を用意するのは我慢できたけど、毎日、夫の昼食まで用意しないといけないのが苦痛でしょうがない』と話す奥さんから、離婚相談が多数寄せられました」

