なぜ詐欺被害は減らないのか…投資家が指摘する“騙される人の共通点”

なぜ詐欺被害は減らないのか…投資家が指摘する“騙される人の共通点”

◆「アリは象の大きさを知らない」

私はよく自戒を込めて自分に言い聞かせるのですが、「自分がわかっていないことをわからない」という気持ちを常に持つようにしています。「我以外皆我師」という姿勢をもっていればこそ、自分と意見が異なるものでも関心をもつことができ、リテラシーを鍛えることに繋がると考えているのです。ただし「師の言うことは全部正しい」というわけではありません。あっちの「師」とこっちの「師」は言うことが違うもの。だからこそ、必死に足りない自分の頭で考えて、判断をしていかなければならず、その過程でこそリテラシーが鍛えられていくのだと信じています。

以前、私の知人に京都府警を名乗る人物から電話がかかってきたそうです。相手は「あなたがある事件の重要参考人になっている。今日中に京都まで出頭できるか?」と言ってきたとか。「どんな事件なんですか?」と尋ねると「捜査上、守秘義務があるので電話では伝えられない」と相手は言い、「どんな事件か分からない以上、対応できない」と根掘り葉掘り聞いていたら電話は切れてしまったそうです。

ここで詐欺師の立場になって考えてみてください。彼らは騙すためにコンタクトを取ってきているので、騙しにくい人の相手は時間の無駄で相手にしたくはありません。知人は「どんな事件なのか?」と全容を知りたがり、そもそも自分が出頭すべき内容なのかを自身で判断しようとしていました。つまり他人任せにせず自分で考え、行動しようとしたのです。こんな面倒な人の相手をしていたら、詐欺師側はボロを出してしまうかもしれません。当然、もっと騙しやすい人のところに時間を使いたいと考え、電話は切ったのでしょう。

リテラシーを高めるには、様々な言説に触れること。そして、判断を他人任せにしないことが重要です。詐欺はしっかりとこちらがリテラシーを高めていれば引っかかることは少なくなるはず。これは投資においても特に必要な能力だと私は思っています。<構成/上野智(まてい社)>

【村野博基】
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
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