◆「現実逃避」から始まる、創造的な休日の第一歩
──第1話に「休むことはクリエイティブな営みだ」というモノローグがありました。先生にとって「休む」ことは、創作にも繋がっているのでしょうか。まんきつ:常識の枠から少しはみ出すことが、私にとっては最高の気分転換なんです。 たとえば、ヒルに血を吸わせる健康法を試してみたり。結果がどうなるかわからないものって、先が読めないぶん 仕事を忘れて没頭できる。
作ったことがない料理を作るのも同じで、「未知の経験」をしている間は脳が刺激されます。……ちなみに、電気式の蚊取り線香で、ヒルは死んでしまいました。無知でした。ショックでしばらく立ち直れませんでした。

まんきつ:それはやっぱり、サウナ。銭湯でも家の風呂でもいいです。まずは強制的にスマホを手放す環境に身を置くこと。それが「何もしない」への第一歩ですよ!
と、偉そうに言ってしまいましたが、最近ふと思ったんです。私は休むのが得意なんかじゃなくて、ただ現実から逃げているだけなんじゃないかと。苦しいことを先延ばしにしているだけで、問題は1ミリも減っていない。もしかして私、「休みのプロ」じゃなくて、ただの「現実逃避のプロ」なのかもしれません。
【プロフィール】
まんきつ
1975年、埼玉県生まれ。漫画家。2012年に開設したブログが話題となり、2015年にはアルコール依存症経験をつづった初の単行本『アル中ワンダーランド』(扶桑社)を刊行。その後は、北関東に住むアラサーの日常を描いた『ハルモヤさん』(新潮社)、愛犬2匹とのにぎやかな日常を描いた『犬々ワンダーランド』(扶桑社)などを発表。サウナを舞台にしたエッセイ漫画『湯遊ワンダーランド』(扶桑社)は、2023年にともさかりえ主演でドラマ化された。現在は、『そうです、私が美容バカです。』(マガジンハウス)の続編の準備をしながら、「マンガSPA!」にて『何もしないをしに行く日』を連載中。
撮影協力/黄金湯(東京都墨田区) 写真/山田耕司 取材・文/むらたえりか

