
◆フル活用したい“三種の神器”
花粉症対策で重要なことは主に二つある。一つは不織布マスクを丁寧に着用し、帰宅時に髪や衣服の付着花粉に注意し、タオルでゆっくり拭い、洗顔などで着実に花粉を落とす、花粉を「入れない・落とす・溜めない」の徹底。そしてもう一つは、なるべく早期に病院で花粉症ケアを受け、医師の指導など確実な情報源をもとに着実な治療を続ける「初期療法」だ。このうち前者については、家庭内で使用するエアコン、サーキュレーター、空気清浄機の扱いも大きく関わってくると飯島院長は語る。
「花粉シーズンは窓を開けずにエアコンで室温調節すると、花粉の室内侵入を防げます。ほかにも除湿運転や空気清浄運転なら、空気中の花粉を吸い込んでフィルターで捕集してくれますよ。このとき設定は内部循環(内気循環)にし、外気を直接取り込まないようにするのがコツです。花粉対策用のフィルターや『空気清浄モード』『花粉モード』が備わっていれば、積極的に使っていきましょう」
このほか、市販のエアコンフィルターシートを貼り付けると花粉捕集効果が高まる。エアコン本体のフィルターをこまめに掃除し、花粉やホコリが溜まって性能が落ちないよう保つことも大事だ。さらに洗濯物乾燥にはエアコンの衣類乾燥モードを活用すると、外干しせずに済み花粉付着を防げるなど、花粉症対策のうえでエアコンが活用できる範囲はかなり広い。
「次に、サーキュレーターは部屋の空気を循環させる補助として使います。空気清浄機との併用で、部屋の隅々に滞留した花粉を空気清浄機まで運ぶのに役立ち、花粉吸引の効果を最大限に引き出せます。空気清浄機の対角線上に置いて、部屋全体に緩やかな気流を作るとさらに良いですね。風が強すぎると花粉が舞い上がり逆効果なので、強弱を調節して柔らかい空気の流れを維持しましょう」
換気の際には窓近くにサーキュレーターを配置し、窓に向けて風を送り出すと部屋の空気を押し出し、花粉侵入をガードしながら効率よく換気できるという。サーキュレーターで室内の空気を動かし、「溜まった花粉を動かして除去する」イメージだ。床の花粉を舞わせないために加湿器と併用して少し湿度を上げておくのも有効だ。
「続けて空気清浄機は、とりわけ花粉対策の要です。設置場所は床に近い位置、かつ玄関や部屋の出入口付近がおすすめです。花粉やホコリは重くて床付近に溜まるので、低位置で吸引する方が効率的に捕集できます。玄関に置けば入ってきた花粉をすぐキャッチでき、一石二鳥です。また、運転モードで『花粉モード』や『自動モード(花粉センサー付)』があれば、花粉センサーの感度が上がることで、微量の花粉も見逃さず強力に吸引してくれます」
空気清浄機を使うコツは、フィルターを定期的に掃除または交換し、目詰まりさせないことだ。花粉シーズン中は24時間連続運転が理想である。就寝時は静音モードで切らずに動かし続け、夜間に舞い上がる花粉も取り除こう。このようにエアコン・サーキュレーター・空気清浄機を組み合わせ、室内の空気そのものを管理すれば、花粉症対策のうえで非常に効果的である。
◆加湿器も効果的、掃除機はかけ方に要注意

「まず、加湿器は適度な湿度(約50〜60%)を保つことで花粉の舞い上がりを抑えられます。花粉は乾燥していると軽くなって空中に漂い、逆に湿度が上がると重くなって床に落ちます。ここで加湿器を使えば、花粉を床に沈降させて吸い込みにくくする効果が見込めます。さらに粘膜の潤いを保つので鼻・喉の防御機能が高まり、症状緩和にもつながります。使い方としては、部屋の中央に置いて均一に加湿するか、エアコンなど風の流れに乗せて部屋全体に湿度を届けると良いでしょう」
このときのポイントは湿度を上げすぎないこと。高湿度だとダニやカビが繁殖し逆効果だという。加えて水垢や雑菌が発生すると健康に良くないので、こまめな手入れで加湿器自体の清潔を保つことも欠かせない。なお、乾燥がひどい日は就寝前に加湿器をつけて寝ると、翌朝の鼻のムズムズ感が軽減することもあるという。
このほか、室内の花粉を除去するために掃除機を使用することも多いが、ここでも注意点があるらしい。
「普通の掃除機をいきなりかけると、排気で花粉が舞い上がり逆効果になることがあります。掃除機は『HEPAフィルター』搭載機種を選び、排気に花粉が含まれないようにすることが大切です。また、かけ始める前にフローリング用ワイパーや湿らせたモップで床の花粉を一度拭き取ってから、その上に掃除機をかけると舞い上がりを防げます」
また、掃除機のごみパックやダストカップは花粉が溜まるので、いっぱいになる前に屋外で慎重に廃棄しよう。ロボット掃除機を使う場合も、こまめなフィルターの手入れが大切である。
「その他の家電としては、乾燥機付き洗濯機や浴室乾燥機があれば、花粉シーズンに洗濯物を外干ししなくて済みます。洗濯物に付着する花粉をゼロにでき、取り込みで部屋へ花粉を入れる心配もありません。同様に衣類用乾燥機や衣類乾燥モード付きエアコンも活用しましょう。また、花粉シーズンには衣類スチーマーで服にスチームを当てて花粉を落とす、空気清浄機能付き扇風機を使って循環・清浄を同時に行う、といった工夫も考えられます」
なお、家電ではないが玄関に花粉用粘着マットを敷いておくと、足裏の花粉やほこりをキャッチして持ち込みを減らせる。これらを上手に組み合わせて「花粉を入れない・舞わせない・吸い出す」環境を作ることが肝心なのだ。

