救急救命士はなぜ病院を離れ、民間で起業したのか。医療を支える新たな挑戦

救急救命士はなぜ病院を離れ、民間で起業したのか。医療を支える新たな挑戦

社会で活躍できる職種を目指して

──創業から6年が経ちました。今後どのように救急医療にかかわっていきたいと考えていますか?

木下さんアイコン

救急搬送の約7割が軽症・中等症といわれるなかで、消防や大病院の救急外来だけが応じる体制はもう限界です。今後、病院の経営難や統合が進み、医療資源がさらに限られていくなかで、規模に応じた棲み分けが必要だと考えています。

大規模病院は重症患者の受け入れに専念し、小・中規模の病院が地域を支える。そして、「不必要な救急搬送」を未然に防ぐ役割を果たせるのが救急救命士だと思っています。

──具体的にはどのようにして不要な救急要請を防げますか?

木下さんアイコン

救急車を減らしたいなら病院の中で待つのではなく、救急車が呼ばれる「手前」の現場に私たちがいるべきだと思っています。

そのためには、現場となりうる高齢者施設やイベント現場などに救急救命士を配置し、その場で適切な判断を下す。私たちがフィルターのような役割を果たすことで、本当に必要な人に医療リソースを残すことができます。より現場に近い場所で救急救命士が当たり前に活動する文化を作り、医療崩壊を未然に防いでいきたいですね。

──では最後に、今後の展望を教えてください。

“長尾さんアイコン"

救急救命士にとって、消防以外の選択肢が増えるといいなと思います。そのために、民間でもこれほど必要とされ、輝ける場所があるということを私たちの活動をとおして証明し続けたいですね。

木下さんアイコン

徐々に民間で活躍する救急救命士も認知されてきましたが、専門性を発揮できない状況にもどかしさを感じる救急救命士は少なくありません。

救急救命士という資格が、一つの独立した専門職として社会に浸透できるよう、医療機関や社会の中での活躍の場を増やしていきたいです。

参考

  • 総務省消防庁|救急救助の現況

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