おしゃれな花柄パッケージと、しっかり焼き込まれたクッキー。神戸・御影にある「Midnight Cookie Club(MCC)」は、日々をがんばる大人にそっと寄り添う焼き菓子と喫茶のお店です。
素材へのこだわりはもちろん、店主・佐藤さんの気さくな人柄も大きな魅力。初めてでも肩の力を抜いて訪れられる空間で、日常に小さな“ごほうび”をくれる特別な時間を過ごしてきました。
栗マロンかぼちゃ専門店から「クッキーのお店」にリニューアル!
御影駅から少し歩いた住宅街の中に、ふと現れる白い外壁のおしゃれなお店「Midnight Cookie Club(ミッドナイトクッキークラブ)」――通称MCC。

店先には、なんとクッキーや「栗マロンかぼちゃ」が買える自動販売機が設置されていて、24時間いつでもお菓子をお迎えできるんです。夜中に自販機でスイーツを買う背徳感…なんだかワクワクしてしまいました。

その名の通り、「夜にこそ楽しんでほしいお菓子」をコンセプトにしたMCC。もともとは“栗マロンかぼちゃ”という高級品種かぼちゃのお惣菜とお菓子の専門店でしたが、コロナ禍をきっかけにクッキー缶の販売を始めたところ大ヒット。2025年6月にクッキーを主役にした焼き菓子と喫茶のお店としてリニューアルしました。

花をモチーフにしたパッケージは、イラストではなく実際の花をスタイリングして撮影した写真を転写したもの。生花はいつか枯れてしまうけれど、「枯れない花」を添えてお菓子を届けたい――忙しい毎日にふっと花を飾るような気持ちになってもらいたい、という想いが込められています。箱を開けた瞬間、まるで小さなブーケを受け取ったような気分に。

奥にはカウンター6席だけの小さな喫茶スペースもあり、ここではパティシエが目の前でパフェを仕上げてくれる特別な体験も。オーナーの佐藤さんは、野菜の仲卸業を営む家業を継いだ“野菜のスペシャリスト”でもあります。元々10年間経営していた栗マロンかぼちゃ専門店の名残で、今もお店にはそのかぼちゃが並びます。

「喫茶は、ただ食べるだけじゃなくて人とつながる場所にしたい」と話す佐藤さんの言葉どおり、クッキーやパフェのおいしさだけでなく、会話や空間までもが温かくて、思わず長居してしまいそうでした。
素材にこだわり尽くしたクッキーやパフェで、日常に小さなご褒美を
店内に足を踏み入れてまず目に飛び込んでくるのは、タイル張りの平台に並べられた花柄のボックス。どれも少しずつ花のデザインが違っていて、思わず「どれにしよう…」と悩む時間も楽しい。

中には、大きめサイズのクッキーが7種類。「忙しい毎日に、花とクッキーでごほうびを。1週間、毎日のお茶のお供に1枚ずつ…そんなルーティーンもいいと思って7枚入りにしたんです」とのこと。

ラインナップは、バター・抹茶・アールグレー・ココナッツ・ヘーゼルナッツ・メープル・黒糖。発酵カルピスバターや北海道十勝産の有機小麦粉、徳島県産の和三盆糖などを使用し、手作りでしっかり焼き込んでいます。サクッとした歯触りに、じんわり広がる素材の香ばしさ。甘さ控えめであと味はすっきりしています。
飲み物がなくても美味しく食べられて、1枚でも満足感たっぷり。いろいろ食べてきた大人も納得の味わいでありながら、小さな子どもにも安心して食べさせられる――そんなクッキーです。

缶入りタイプもあり、少しずつ大切に食べるのもよし、家族や友人とシェアするのもおすすめ。手土産や贈り物にもぴったりです。

喫茶スペースでは、季節のパフェも楽しめます。取材日にいただいたのは、秋の訪れを感じる「シャインマスカットのパフェ」。軽めの生クリームにはグラニュー糖ではなく和三盆を使用し、ディプロマットクリームを重ねています。見た目のボリュームに反してぺろりと食べられますよ。

グラスの中には、赤ワインのジュレと白ワインのジュレが隠れていて、ひと口ごとにふわっと広がる華やかな香り…まるでアロマを楽しんでいるよう。さらに、塩味の効いたクランブルも。甘さと香り、塩気のコントラストが心地よく、最後まで飽きずに食べ進められました。

グラスの上にはMCC自慢のクッキーが乗っていて、これがまたシンプルに美味しい!

ちなみに喫茶に座った方には、佐藤さんが「栗マロンかぼちゃ」をふるまってくれるという粋なサービスも。クッキー屋さんでかぼちゃ…?と思うかもしれませんが、野菜のスペシャリストでもある佐藤さんの原点の味。時間があるときはぜひ味わってみてください。

ドリンクは、浅煎り・中煎り・深煎りのコーヒーが揃い、浅煎りは大阪の「メルコーヒー」、中・深煎りは六甲道の「Beans」のもの。お茶は姫路「井上茶寮」のブレンドティーを提供しています。

インテリアやカップ、グラスは佐藤さんが集めたお気に入りコレクション。おしゃれな空間が好きな方は、店の隅々までチェックしてみてくださいね。