まさかの値札に「もう限界」
想定していた金額は、せいぜい3万〜4万円。しかし、息子夫婦と孫が指さしたランドセルの値札には10万円と書かれていたのです。どうやら、あらかじめ目をつけていたようでした。
しかし、孫に罪はありません。期待いっぱいでランドセルを背負ってみせる姿を見れば、買わないわけにはいきませんでした。しぶしぶクレジットカードで支払いを済ませた重明さんでしたが、その直後に発せられた息子夫婦のひと言で、積もり積もっていた不満があふれ出ました。
「ついでに学習机も見に行く?」
息子だけをデパートの隅に連れていき、「あんな高いものを買わせるなんて」「こっちは年金だけで暮らしてる。それをわかっていながら」――言葉はヒートアップしていきました。
そして、ついに「親は金づるじゃないんだ。そんなつもりなら、うちには来なくていい!」と怒鳴りつけたのです。
その後、息子一家からは距離を置かれるように。当然、孫とも会えなくなりました。
時間が経つにつれ、重明さんは「あんなことを言うべきじゃなかったのか」という後悔の気持ちが膨らんでいきました。孫と会えないことに、重明さんの妻も落胆を隠せません。しかし家計のことを考えれば、どこかで言うしかなかった。それも現実でした。
無理をしないために大切な考え方
出産祝い、入学祝い、ランドセル、学習机、習い事の初期費用。昔よりもモノの値段が上がっている今でも、「孫へのお祝いは祖父母が出してくれるもの」と期待されます。
しかし、祖父母側の収入は年金が中心で、今後増える見込みはほとんどありません。無理をすれば、老後資金そのものを削ることになります。
もちろん孫のために何かしてあげたいという気持ちは自然なものです。ただし、それが「生活を脅かすほどの負担」になっているなら、立ち止まる必要があります。
大切なのは、金額ではなく「できる範囲」をはっきりさせることです。最初から上限を決め、「入学祝いは3万円まで」「高額なものは一部負担にする」と伝えておくだけでも、期待値は大きく変わります。
また、「出せない」ことが「愛情がない」わけではありません。一緒に過ごす時間や言葉での応援も、孫にとっては十分な贈り物になります。
