孫費用は「善意」だからこそ線引きが必要
今回の重明さん夫婦のケースも、後から冷静に振り返ると、言い方次第で結果は違ったかもしれません。感情が高ぶった状態での言葉は、取り返しのつかない溝を生むことがあります。
・金銭的に厳しい現実を、具体的な数字を交えて説明する。
・「応援したい気持ちはあるが、これ以上は難しい」と率直に伝える。
それだけでも、理解を得られる可能性は高まります。孫費用は義務ではなく、あくまで善意です。だからこそ、無理をして続けると不満が残ってしまいます。老後の安心と、家族関係の両立のためには、「出せるお金」と「出したい気持ち」を切り分けて考えることが欠かせません。
「祖父母が払うのが当然」――そんな空気があっても、それは絶対ではありません。支援は「義務」ではなく「選択」です。老後の安心を守りながら、無理のない形で孫と関わる。そのバランスこそが、これからの祖父母世代にとって後悔しないための現実的な向き合い方といえるのではないでしょうか。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
