偏差値70台、公立大学が「ふるさと納税」などを活用して「14億円の寄付」をかき集めたワケ

偏差値70台、公立大学が「ふるさと納税」などを活用して「14億円の寄付」をかき集めたワケ

財源確保のための寄付金創設で14億円超を調達

こうした取り組みの結果、初年度である2015年度の寄付申込額は1億8855万円に達し、翌2016年度は2億349万円となりました。その後も年によって増減はあるものの、安定的に、1億円前後の寄付を得て累計14億円超を集めるに至っています。

基金の主な使途は多岐にわたります。学生の海外・国内の大学、研究機関への派遣費用や研修参加費用、国家試験模試費用などの支援、大学院医学研究科博士課程進学者への奨学金、クラブ活動の補助、臨床教育のための高度シミュレーター購入費用、さらには地域社会とつながる健康長寿イベントの開催など、幅広い教育・研究・社会貢献活動を支えています。

未来への飛躍基金は、単なる資金調達の手段ではありません。第一に、大学が自らの意思で財源を確保する姿勢を示したことで、挑戦を可能にする自立性を獲得しました。第二に、同窓生や在学生の保護者、地域社会や企業など、多様なステークホルダーが大学の未来を支える主体となる仕組みとなりました。第三に、寄付という形で大学に関与する人々が増えたことで、奈良医大は県立大学の枠を超え、「社会に開かれた大学」へと発展する基盤を整えています。

教育、研究、診療の質を高めるためには、挑戦を継続できる独自の財源が不可欠です。未来への飛躍基金は、その理念と仕組みの両面において、奈良医大が次の時代に進むための推進力となっています。

細井 裕司
奈良県立医科大学
理事長・学長

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