◆全部一人でやるからこそ、釣れた時は格別
――今まで釣って一番嬉しかった魚は?バチ抜け:選ぶのは難しいのですが、先ほどお話ししたシナノユキマスですね。立岩湖でしか釣れない魚を釣れたことがめちゃめちゃ嬉しかったです。誰かに案内してもらったりしたわけではなく、自分で調べて道具を揃えたり、一人で現地へ行ったり、そこに至るまでの苦労があって釣れた魚なので、釣れた時の感動はひとしおでした。タキタロウかもしれないイワナが釣れた時も、それと同じくらい嬉しかったですよ。
――自分で狙って釣ったことがポイント?
バチ抜け:そうですね。どんなに大きな魚だったり、珍しい魚だったとしても、自分がその時に狙っていない魚だったら、そこまで嬉しさはないんです。どんなに小さくて、ありふれた魚だとしても、今日はこれを釣るぞと思って釣れた時の方が嬉しいですね。
あと、指に釣り針を刺して負傷しながら釣ったハマチも、ずっと狙っていてなかなか釣れなかったので、釣れた時は嬉しかったです。狙って釣れれば、小さなアジでも嬉しいんです。
――高級魚のフエダイやクエも釣っていますね。
バチ抜け:釣った時はクエってことに気づいてなくて、ハタの仲間みたいな魚かと思っていたんです。そうしたら近くにいらっしゃった漁師さんが見て「クエや!」って言われて「え?クエなんや!?」って(笑)。食べた時はこんなに美味しい魚がいるんだとびっくりしました。
――豪快に調理されていましたね。
バチ抜け:視聴者さんから「魚がかわいそうです」とコメントをいただいたりするくらい、あまり包丁さばきには自信がなくて……でも、すごくいいダシが出て本当に美味しかったです。クエのダシを入れるだけで鍋の具材が全部美味しくなりましたから。フエダイは「お刺身にしたら美味しいよ」と聞いていたので、お刺身で食べたのですが、タイをさらに濃厚にしたような味でしたね。
――フエダイは最初から狙っていたのですか?
バチ抜け:魚影が濃くて何でも釣れると言われている愛媛の釣り場で釣ったのですが、「何か釣れたらいいな」くらいの気持ちでした。フエダイが釣れたので最高の釣果でしたね。ほかにも大きな魚がすごく多くてびっくりしたのですが、地元の方々にとっては普通みたいですね。
――釣りの魅力は?
バチ抜け:自分の釣りのスタイルと言えばいいのかわかりませんが、“全部を一人でやり切りたい”という思いがあるんです。釣竿を自作したりもしていますし、誰かに案内してもらって釣り場へ行くのではなく、一人で行って一人で釣りたいんです。そうやって積み上げていったものが魚を釣れた瞬間に完結するような気がしていて。何ものにも代え難い経験だと思います。満足感や達成感が得られますし、少しでも釣りに興味がある方は、勇気を出して一人で釣りをしてみてほしいですね。
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上達するのは経験者に教えてもらうのが早いですし、友人と行くのも楽しいと思いますが、一人で何度も通って釣り上げる一匹っていうのは格別なので、ぜひそういう経験をしてもらえたらなって思います。
<取材・文/浜田哲男>
【浜田哲男】
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton

