「『次はホテルに行きたい』と囁かれ…」女性ライバーへの投げ銭で“1250万円失った”46歳男性の末路

「『次はホテルに行きたい』と囁かれ…」女性ライバーへの投げ銭で“1250万円失った”46歳男性の末路

「応援しているだけ」のつもりだった。だが、名前を覚えられ、DMを交わし、“特別な存在”だと思わされた先に待っていたのは、1250万円超の散財と600万円の借金だった――。配信アプリの投げ銭は、なぜ人をここまで追い詰めるのか。孤独と承認欲求につけ込む“集金システム”の実態を、当事者証言と専門家の分析から追った。

◆一人の女性ライバーと出会った結果…

[孤独破産]の罠
目じりに刻まれた皺から、佐々木雅之さんの人柄の良さが伝わってくる。「応援のための投げ銭のはずが、気づけば目的と手段が逆になってました」
配信アプリを開けば24時間いつでも指先一つで誰かとつながれる。その手軽さは、ときに孤独を抱える人の生活を静かに蝕んでいく――。食品メーカーで正社員として勤務する佐々木雅之さん(仮名・46歳)は3年前、たまたま開いた配信アプリ上で、一人の女性ライバーと出会い、そこから約1年3か月ほどで1250万円ほどを失った。

「最初は同郷という親近感から数百円程度。夜の寂しさを紛らわすにも、飲みに行く友達もいないし、どうせなら頑張ってるコの応援に使おうと、軽い気持ちで投げ銭を始めたんです。ファンが少なかったおかげで、すぐに名前を覚えられて、1か月ほどでツイッター(現X)のDMを交わす仲になりました。毎日、家と会社の往復ばかり。仕事以外の話をしたのが久しぶりすぎて、スマホの通知が鳴るのが待ち遠しかった。しばらくすると彼女から『何かお礼がしたい』と連絡がきました」

イベントの特典配布のため、ライバーに住所を教えることは以前にもあったので、特に警戒はしなかったという。

「ある夜、ポストを開けるとペイズリー柄のハンカチが一枚入っていて、直後に彼女から『ポスト見た?』とメッセージが届いたんです。家に直接来られたことに一瞬恐怖を覚えましたが、当時はそれ以上に『家まで来るほど特別な存在』という歪んだ高揚感に、理性が吹き飛びました」

◆彼女の“束縛”がエスカレート

この日から彼女の“束縛”はエスカレートしていった。

「僕のアカウントを監視して他のライバーに投げ銭をすれば、『なんで私に投げないんだ』と鬼のごとき叱責が届き、旅行先では『私は配信中なのに』と責め立てられ、罰として帰りの電車賃と同額を投げ銭させられたこともあった。それでも『次はホテルに行きたい』などと甘言を囁かれ、淡い期待を断ち切れませんでした」

直接の投げ銭は月に50万円から多いときは100万円超。佐々木さんの献身はそれだけにとどまらず、彼女のチャンネルに他のライバーのファンを誘致するため、手土産的に少額の投げ銭をする“外交”にも及び、合計200万円ほどが消えていった。

「もう、自分でブレーキを踏むことはできませんでした。気づけば“ガーディアン(守護神)”と呼ばれる、配信を支える支援者の筆頭として欠かせない存在になっていたんです」

それまであった貯金400万円だけでは当然足りず、車を売却した250万円も瞬く間に底を突いた。さらに、友人や消費者金融からの借金が600万円。失った金額は、1250万円以上に膨れ上がった。増え続ける借金に心は蝕まれ、不眠症を発症。限界を迎えた佐々木さんが「この先2人の関係に進展がないなら手を引きたい」と切り出すと、返ってきたのは、あまりにも無情な言葉だった。

「私はプロ。気があるフリをしたのは投げ銭のため。不快なのでブロックします」

その後、「詐欺に問えないか」警察と弁護士にも相談したが「自由意思による贈与」と、法は佐々木さんを冷たく突き放した。癒えぬ不眠と、返済の絶望だけが残る現在、任意整理による5年間での支払いを継続中だ。


配信元: 日刊SPA!

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