新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「負けた瞬間」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)
◆負けたときこそ発想を転換して、チャンスに変えるのが逸材式!
新日本プロレスの年間スケジュールは、開催時期は若干前後するものの、毎年ほぼ同じ周期で決まっています。年始は東京ドーム大会、5・6月にはジュニアヘビー級選手によるリーグ戦「BEST OF THE SUPER Jr.」、夏はヘビー級選手のリーグ戦「G1 CLIMAX」、秋はヘビー・ジュニアそれぞれのタッグリーグといった具合です。で、「春は?」ってなりますよね。

この春のトーナメント戦、NJCが始まったのは’05年。そして、僕はこの第1回大会から出場していました。1回戦で永田(裕志)選手。準決勝で天山(広吉)選手。決勝では中西(学)さんと対戦、優勝しました。
その大会が、今まで20年続いているのはすごいことです。きっと、第1回の優勝者が良かったからですね(笑)。
新日本プロレスの歴史の中で、もっとも長く続いているヒットシリーズは、「真夏の祭典」として親しまれている1991年に始まった「G1 CLIMAX」。昨年のG1は第35回。今年で36回目の開催になります。
このNJCとG1の現在の違いは、トーナメントかリーグ戦かになります。トーナメントは一発勝負なので、負けた時点で終わりです。リーグ戦は総当たりで最後まで闘い抜いて、○勝○敗と結果が出て、成績上位者が優勝決定戦を行います。
よって、闘い方に若干、違いが出るような気がするかもしれませんが、実はそれほど違いはありません。

リーグ戦ならば「次の試合のために体力を温存しておけばいいじゃないか?」という声も聞こえてきそうですが、そうではないんです。100%出し切らないと、勝っても負けても、自分の課題や伸びしろは見えてきません。
そうやって課題を見つけることを繰り返して、選手は成長していくんですね。
トーナメント1回戦で負けてしまった場合を考えてみましょう。当人の失意をよそに、決勝に向けてどんどん盛り上がっていきます。もちろん当人は悔しいですよね。
でも、ここが選手にとって切り替えのチャンスになるのです……!
負けてしまったその瞬間に「もう来年のNJCに向けてスタートが切れる!」と考えればいいんですね。
これ、すんごいフライングスタート!
そう、何事も失敗からの学びや立ち直りのスピード感が大事なのです。
【逸材式マインドリセット】。気持ちの切り替えが早い人は、年間を通してのパフォーマンスがずっと高くなるはずです。
◆今週のオレ社訓 ~This Week’s LESSON~
負けた瞬間は、次回に向けてのフライングスタート!<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記~トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」

