しかし、あおり運転の加害者はこのルールを完全に無視し、前の車のバックミラーを強烈な光で照らし続け、執拗に精神を追い詰めます。
今回は、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、あおり運転という暴挙に出たドライバーが迎えた、あまりに皮肉で驚くべき結末を紹介します。まさか、その運転手の正体とは……。被害者がその恐怖をいかにして切り抜けたのか、2つの事例を最新の法規と共にお届けします。

◆①暗闇の中での恐怖
社用車を運転している最中にあおり運転に遭遇した渡辺優子さん(仮名・30代)。助手席には課長が座っており、日頃の疲れからかぐっすりと寝ていたそうだ。「すでに辺りは暗くなっていて、私は法定速度を守りながら運転していました。でも、後続車が突然、ハイビームで車に迫ってきたんです」
はじめは気にせずに走行していたのだが、その車は徐々に車間距離を詰め、何度もパッシングを繰り返してきたという。不安になった渡辺さんは、助手席で寝ている課長を起こして説明した。しかし……。
“先に行かせろ!”
寝ぼけていた課長は、そのように不機嫌そうに言い、再び寝ようとした。
「後続車はますます接近してきて、車は蛇行運転をはじめました。怖くなったので、再度課長に頼み込むと、ようやく課長は座席のシートを起こして状況を確認しました」
その時、後続車は強引に渡辺さんの車を追い越すと、加速と急ブレーキを繰り返しながら車の前を走りはじめたようだ。
「課長は冷静に、『距離を取れ!』と言いましたが、その車のスピードは落ちることなく、私は同じペースで走り続けました」
渡辺さんは恐怖心から、その車に合わせて走行するしかなかった……。
◆あおり運転をしてきた相手はまさかの人物で…
渡辺さんは、「運転代わってください」と課長に訴えた。車を路肩に停め、課長はついに警察に通報することを決めたそうだ。その瞬間、覆面パトカーが現れサイレン音を鳴らしながら停車。渡辺さんの車と後続車は停車を求められたという。「警察官が近づいてきてあおり運転の状況を確認すると、後続車の運転手が調査されることになりました」
すると、その運転手の正体が“まさかの取引先の営業マン”であることが発覚し、渡辺さんはア然とした。翌日、会社に謝罪に来たのだが、その後の展開は驚くべきものだったようだ。
「土下座レベルの謝罪をしていましたが、ドラレコを確認した部長が冷酷に“契約解除”を告げたんです。私は、部長や同僚たちに『大変だったね』と声をかけられ、思わず泣いてしまいました」

