近年、「ダイヤ改正」といえば、どちらかといえばネガティブな話が中心になっている。

本数を「見直す」ということで少なくなり、あるいは終電を繰り上げるなどといったことが中心となっている。以前より時間が余計にかかるようになる路線もある。
だが、「ダイヤ改正」は、本来は明るい話であるはずだ。列車の本数が増えたり、新しい特急が設けられたりと、多くの人がわくわくするはずのものである。
そうしたなか、今回のダイヤ改正で、異常なまでに「攻め」の姿勢を採用する鉄道がある。それが、東海道・山陽新幹線(東京~博多)だ。
「のぞみ」13本の衝撃
東海道新幹線はJR東海、山陽新幹線はJR西日本の管轄である。
東海道新幹線は、「のぞみ」の利用者が多い。東京発では原則「ひかり」が毎時2本、「こだま」が毎時2本(時間帯により3本)であるのに対し、「のぞみ」の場合は山陽新幹線直通列車と東海道新幹線内完結列車であわせて毎時最大12本走らせている。
この「のぞみ12本ダイヤ」は、2020年3月に始まったものだ。ちなみに、それまでは1時間当たり10本だった(それでも多いのだが)。
ただし、この「のぞみ」の多本数ダイヤには、ちょっとしたからくりがあった。東京~博多や東京~広島などといった山陽新幹線直通の列車は大半を定期列車にしているのだ(一部に、臨時列車がある)。しかし、東京~新大阪間のみの列車は、大半は臨時列車にしていて、一部を定期列車にしている。このようにしているのは、東京~新大阪間の需要は非常に多いからだ。
ようするに、大半を臨時列車にすることで、日による移動需要の多い・少ないに合わせて、列車本数を変えることができるというわけだ。もちろん、お盆や年末年始などでは最大限走らせる。
前置きが長くなったが、今回のダイヤ改正で、東海道新幹線では「のぞみ」を時間帯によっては13本走らせることになった。具体的には、東京駅発では7時台から10時台、新大阪駅発では14時台~17時台に出発する列車で、「のぞみ」を13本にする。
(なお、新宿発17時台の13本目となる「のぞみ」は一部の日で品川行となる。あわせて、一部の列車で東京~新大阪間の所要時間が2時間30分から2時間27分になる。)
「のぞみ」を13本走らせる時間帯から考えると、お盆や年末年始といった繁忙期だけではなく、ビジネス利用の多い平日などでもこのようなダイヤが見られることが想定される(朝の時間帯は、東京駅からは出張のために「のぞみ」に乗る人が多い)。
利用者にうれしい最終列車の強化
一方、列車の本数を増やすだけではなく、有効な時間帯を最大限活かすようなダイヤになる。
新幹線は、朝6時から深夜24時までしか走らせることができない(ダイヤ乱れ時を除く)。そのため、ぎりぎりまで動く列車は、多くの人にとってありがたいものになる。
これまで博多発の東京行き最終「のぞみ」は、博多19時00分発、東京23時45分着だった。
だが、今度のダイヤ改正で臨時ではあるものの、博多19時18分発、品川23時59分着という列車が設定された。終着駅を品川にすることで、より遅い時間に博多を出ることが可能になった。
これに、鹿児島中央17時54分発、熊本18時41分発の「みずほ」を組み合わせることも可能である。鹿児島を夕方に出てもその日のうちに都内にまでたどり着けることになる。
ほかにも、広島方面でも便利な列車ができた。それは、東京発20時09分、広島着23時59分着の列車だ。新大阪行きの列車ではあるものの、日によっては広島まで延長する。広島の人の東京での滞在時間が増えることになる。