◆活動再開直後に抱えていた「よそ者感」と葛藤

長濱:「知名度がある」とは自分では思っていないので、そこに悩んだということはありませんでした。ただ、お芝居で俳優さんとご一緒させていただく時に、そこを主戦場として向き合って戦っている人たちの中に、「途中から参加してもいいのだろうか」という思いはあって。「よそ者がお邪魔します」という感覚のままでの参加でした。
——NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』にもレギュラー出演したりと、順調に映りましたが、ご本人としては葛藤があったのでしょうか。
長濱:お芝居を突き詰めて命がけでやってる人たちの中に、右も左もわからずに参加している自分が本当に恐縮で怖くて。そこの悩みはありました。どこに行ってもよそ者の気がするというか。その感覚は今もどこか消えないでいます。
例えばドラマの現場で自己紹介をする時に、「アイドルグループに所属していた」というのは間違いなく自分を構成している要素の一つですし、自分としても大事な過去です。そこがあっての今。だからそこを無理に塗り替えていこうというよりは、そんな自分が「真摯に向き合わせていただきます」という姿勢で居続けることでしか、自分を納得させられないなと。
◆先輩の金言「ちゃんと人一倍準備して現場に入らないといけないよ」
——お仕事をしていくなかで、少し気持ちを軽くしてくれた先輩はいますか?長濱:YOUさんです。バラエティ番組で自分のことを相談する企画があって、そのときにお話ししたんです。「お芝居にも興味があるんですけど、お芝居を第一線でやってきて磨いてきた人たちの中にいきなり入るのは気が引ける。挑戦してみたいけど、挑戦できずにいます」と。YOUさんも数ある素晴らしい映像作品にたくさん出られていて、「素敵だな」といつも思っていたので。
——YOUさんはそのときなんと?
長濱:YOUさんも「私も現場に行く時、いつも“よそ者がお邪魔します”という気持ちがある」と。「だからこそ、ちゃんと人一倍準備して現場に入らないといけないよ」と教えていただきました。
——たしかにYOUさんといえばタレントとしてはもちろん、映画『誰も知らない』に始まり、多くの作品で存在感を残しています。
長濱:無理に「キャリアを塗り替えていかなきゃ」と思わなくてもいいのかなと思えて。すごく楽になったひと言でした。いまは本当に、ひとつひとつの作品に、誠実に向き合っていくしかないんだなと思っています。

