女性ホルモンのことを正しく知ろう

「いってみれば卵巣は“期間限定でしか働かない臓器”」と高尾さん。
卵巣の機能が低下すれば、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンが分泌されなくなっていきます。女性ホルモンは、自律神経の働きを安定させたり、コラーゲン産生を促したり、血管、骨、関節、脳などを健康に保ったりといった役割を果たし、いわば「体のお守り」です。卵巣機能が低下した結果、心身ともにさまざまな不調が出るのはある程度仕方がないことなのでしょうか……。
「実は、女性ホルモンの分泌量が減ることそのものよりも、ホルモン分泌の急激なUP・DOWNがあることの方が女性を苦しめます。つまりホルモンの浮き沈みの波をなだらかにして、“低め安定”の状態にしてあげればいいのです。疲れやすくなる更年期はいわば、人生の曲がり角。しっかり対策をして、急カーブを曲がるときには生きるスピードをゆっくり落とし、安全に曲がり切ることが必要になってきます」
更年期の不調を「我慢」してしまいがちな女性たち

更年期を慌てず騒がず、穏やかに過ごしたい。でも、中にはつらい症状に苦しむ人もいます。それなのに、「私だけじゃないから」「少しの間、我慢すれば……」と無理をしている女性が多いと高尾さんは指摘します。
「どんなにつらい更年期症状があったとしても、命に関わるわけではありません。だからこそ我慢してしまう女性が多いのです。生理痛も、PMS(月経前症候群)も、産後うつも、まったく同じで、『その時期をやり過ごせば大丈夫』と思って我慢してしまう。でもその我慢する時間って、もったいないと思いませんか」と高尾さんは言います。
更年期の年代の女性はこれまで、子どもや夫の世話、親の介護など、自分以外のことに時間を割いてきた人が多いはず。なおかつ仕事では責任ある立場に置かれることもある年代。こうした自己犠牲型の人ほど、更年期症状が強くなりがちだと言います。
「誰かの役に立ちたいという気持ちはとても素敵ですが、裏を返せば人のことばかり優先して、自分のことをあまり大事にしてこなかったとも言えるのです。特にメンタルの不調は、意外と自分では気付けないもの。気付いたときには更年期症状がかなり進んでいたということも珍しくありません」(高尾さん)

