そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれません。

初来日は1991年ごろ。大学時代に知り合った埼玉県岡部出身の日本人留学生宅にホームステイしたのが、日本好きになったきっかけだとか。そこで田舎暮らしや農作業を体験し、その後、日本語弁論大会への出場を機に再来日して就職しました。今までに住んだ場所は、千葉県浦安市、東京都世田谷で、訪問した場所は北海道以外ほぼ全国。
2025年に初著書を日本語で出版したスティーブさんは、大の日本車好きで知られています。今回はそんなスティーブさんに、日本の印象を伺いました。
◆箸とお風呂…日本のホームステイ先では驚きの連続

「最初に苦労したのは、そうめんですね」
夏のある日にホームステイ先で、そうめんをごちそうになったときのエピソードを語ってくれました。
「箸は使えるつもりだったんですが、そうめんがツルツル滑って全然つかめないんです。『一本も口に入らないぞ』と、ちょっとイライラしました。でも負けず嫌いなので、『絶対に箸で食べてやる』と思ってがんばりました」
そしてもうひとつ、スティーブさんが滞在先の家庭で驚いたのが、日本の風呂文化でした。
「同じお湯を家族で共有するという習慣です。アメリカではあまりないので最初は戸惑いました。でも『体を洗ってから入るんだよ』と教えてもらって、なるほどと思いました」
アメリカではシャワーが一般的で、たまに湯船に浸かることがあっても、基本的にはひとりで使います。その後のお湯は流してしまうということが多いのです。
◆「スマイル0円」に感動…日本の食と接客の魅力
スティーブさんにとって食の楽しさも、日本で強く印象に残ったことのひとつだそうです。「寿司ももちろん好きですが、屋台の食べ物が面白かったですね。他にはお好み焼きや焼きそば、肉まん、コンビニの食べ物もおいしい。お好み焼きは『日本のピザみたいなもの』と説明されました。日本は値段に関係なく、料理の見た目がきれいなんです。盛り付けにもすごくこだわりがあると感じました」
鉄板を囲みながら、友人たちに焼き方を教えてもらい、笑い合いながら食べた時間も、日本の食文化を知る楽しい思い出になったそうです。

「マクドナルドのメニューのいちばん下に『スマイル0円』と書いてあったんです。チップ文化がないのに、お客さんに笑顔で接するという考え方が素晴らしいと思いました。その経験は、今の仕事にも生きています」
アメリカでは丁寧な接客に対してチップを渡す文化があるため、笑顔や丁寧なサービスが“無料”で提供されるという発想は、スティーブさんにとって新鮮に感じられたようです。


