「うちの税理士事務所では夜職の確定申告のご相談まだ受け付けておりますのでお気軽にご相談ください」
投稿主は、“夜職税理士”の夜野仁さん。『夜職税理士』(主婦の友社)の著者だ。いったい、何者……!?
◆初めての依頼は「ニューハーフバーの立て直し」

「僕は元々プロ野球選手を目指していたのですが、ひょんなことから中学時代の恩師に税理士になることをすすめられて……今に至ります。その恩師のもとで働くはずが、仲違いをして税理士として独立しました。最初に担当したのがニューハーフバーのオーナーでした」
夜野さんはニューハーフバーの立て直しを担うことになり、「これだ!」とピンときたようだ。
「水商売の案件どころか、個人で案件を受けたことすらありませんでしたが、当時はインボイス制度が始まり、個人事業主の確定申告への関心も高まり始めていた時期でした。
そのため、水商売だけでなく今まで無申告だったフリーランスの人たちが確定申告を始めるのではないかと、僕は踏んでいたのです」
実際にその読みは当たり、紹介が紹介を呼び、夜野さんは夜職専門の税理士として名が知れ渡るようになった。
そして「もっと内部に入って夜職の無申告をなくす」という目標を掲げて、ホストを兼業することになったんだとか。
「皆さんが思っている以上に税務調査は入っています。年々増えていっています。特に夜職、ホスト業界はここ数年でものすごい件数ではないでしょうか」
◆「確定申告をするように」と店から言われた2日後に…

「彼は、所属しているホストクラブに税務調査が入り、上層部から『確定申告をするように』と指示があった2日後に税務調査が入りました。これはあり得ない話ではありませんが、あまりにスピード感が早く狙い撃ちされた可能性が高いです」
この国税のスピード感以外にも、先生は夜職界隈の「あまりに税金に関して無知な人が多いことに驚いた」と話す。
「2〜3年前は、この彼以外にも数億円売ったホストやキャバ嬢でも『確定申告を個人でする必要があると思わなかった』『確定申告が何なのか知らなかった』という人がものすごく多かった。税務調査を逃れた人もいれば、あと一歩のところで間に合わなかった人もいます。ただ一つ言えることは、確定申告は国民の義務。する以外の選択肢はありません。
しかし、なぜ雇う側は稼ぎ方は教えるのに、その後のお金の残し方を教えないのか不思議でなりません」
夜職に限らず個人事業主の人は「年収500万円以上なら税理士に頼むべき」と夜野さんはいう。
「顧問料や確定申告の代行が『高い』というイメージを持っている方が多いですが、確かに安くはありません。ただこの料金ももちろん経費に入ります。そう考えると不安なまま自身で確定申告をするのと、しっかり経費として支払うのであれば後者の方が精神的にもいいと思います」
夜野さんの事務所には他の税理士事務所に任せている人からの相談も多いようだ。その理由として、税理士に頼めば節税になるとは限らないからだ。

