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【福井グルメ旅】極上フレンチと至福の宿泊体験。『オーベルジュほまち 三國湊』で綴る珠玉のひととき

【福井グルメ旅】極上フレンチと至福の宿泊体験。『オーベルジュほまち 三國湊』で綴る珠玉のひととき

【福井グルメ旅】極上フレンチと至福の宿泊体験。『オーベルジュほまち 三國湊』で綴る希少なひととき食楽web

 旅先で泊まる宿が、その旅の思い出を決定づける――そんなことって、よくありますよね。

 今回、訪れた福井県坂井市の三国湊には、まさに旅をそのまま極上の体験にしてくれる、そんな場所があります。その名は『オーベルジュほまち 三國湊』。

左側が今回宿泊した『オーベルジュほまち 三國湊』の宿泊棟左側が今回宿泊した『オーベルジュほまち 三國湊』の宿泊棟

 三国湊は、江戸から明治期にかけて、北前船でにぎわった歴史ある港町。人や文化、食材が交差し、栄華を誇った場所です。町を歩けば、今も町屋造りの商家、土蔵などが立ち並び、時代を越えた空気感を醸し出しています。

 そんな場所に『オーベルジュほまち 三國湊』が誕生したのは2024年のこと。半径800m・約12分の徒歩圏内に、9棟16室のホテルとレストラン1棟を備えたオーベルジュで、いずれの客室も、古民家をリノベーションし、「かぐら建て町家」をはじめとした伝統建築をモチーフにしているのが特長です。

『オーベルジュほまち 三國湊』のフロント棟『オーベルジュほまち 三國湊』のフロント棟

 これらの町屋に暮らすように滞在し、土地の歴史や文化を体感しながら宿泊を楽しむ、これが『オーベルジュほまち 三國湊』の大きな魅力と言えるでしょう。

 もう一つ、注目ポイントは、エリア内にあるレストラン『タテルヨシノ 三國湊』での極上の食体験。そう、あの『メゾン タテル ヨシノ』で一躍その名を世界に轟かせたスターシェフ・吉野建氏がプロデュースしたレストランです。

 結論から言うと、ここは「食」と「歴史」と「心地よさ」が三位一体で体験できる特別な場所でした。いざ、そのスペシャルな宿泊体験記をお届けしましょう。

チェックインから始まるおもてなし

 フロント棟でチェックインを済ませると、まず目に飛び込んでくるのは、壁際に並ぶ日本酒の数々。宿泊客は、この日本酒を夜10時まで、いつでも自由に楽しむことができるのです。

「旅のはじまりに地酒を一杯」。それだけで緊張していた心がほぐれます。心地よい酔いを感じながら、送迎車に乗って宿泊棟へ。移動の時間すらワクワク感を高めてくれます。

リノベーションされた町家の客室へ

 今回、我々が泊まったのは、「井桁」と「七宝」と名付けられた客室。

「宿に泊まって、町そのものを味わってほしい」という想いを感じる町家づくりの宿泊棟は、しっとりと三国湊の町並みに溶け込んでいます。そして扉を開けた瞬間、思わずため息が漏れました。

 モダンでスタイリッシュなのに、随所に三国湊の歴史や文化を感じさせるインテリア。壁の質感や家具の配置、窓から望む町並みまで、すべてが“土地に根差した時間”をそのまま体験できるようになっているのです。

北陸最大級の祭りである「三国祭」や「湯屋」「武道」「花街」などから着想を得たインテリアは、部屋ごとに異なる世界観を表現するなど、宿泊時は三國湊の暮らしや文化、歴史をさまざまな角度から体感できるというわけです。その雰囲気は、「ただ泊まるための部屋」ではなく、「町と対話するための空間」と言いたくなるほど。思わずシャッターを切り続けてしまいました。

『タテルヨシノ 三國湊』でのディナーは格別の体験

中庭を望む店内を進むたびに胸が躍る中庭を望む店内を進むたびに胸が躍る

 ひと息ついたあと、日が暮れた三国湊の町へ。目的地は徒歩で数分の場所にある『タテルヨシノ 三國湊』。

 世界的シェフ・吉野建氏の名を冠するこのレストランは、三国湊の新しいランドマークとも呼べる存在。外観からして凛とした佇まいで、足を踏み入れる前から背筋が伸びると同時に、これから始まるディナーに胸が高鳴ります。

ワインとのペアリングも楽しみの一つワインとのペアリングも楽しみの一つ

 最初の一皿は「冷製ボルシチ」。ビーツの鮮やかな赤が視覚を奪い、ひと口で心が虜に。続いて香ばしい「カツオの炙り」。添えられたキウイやカリフラワーと葉山椒のソースが驚くほど調和しています。一気に『タテルヨシノ 三國湊』の世界に引き込まれました。

ガスパチョ・本日の魚ガスパチョ・本日の魚

 そして店のスペシャリテ「ガスパチョ」はシンプルながら奥行きのある味わい。永遠に飲んでいたくなります。さらに「鮑のパイ包み」や、ブイヤベースソースでいただく「ぐじ松笠焼き」と至極の料理が続きます。

鮑のパイ包み ホタテムース・チョリソー・ワカメ 肝のヴァンブランソース[食楽web]鮑のパイ包み ホタテムース・チョリソー・ワカメ 肝のヴァンブランソース[食楽web]

 聞けば、食材は三国湊をはじめ近隣エリアのものにこだわっているそうで、それらが違和感なくフレンチの一皿に昇華されています。食事をしながら、まるで三国湊の文化をいただいているような気がしてきます。

ぐじ松笠焼き ブイヤベースソースぐじ松笠焼き ブイヤベースソース

 メインを飾るのは「若狭牛の塩釜焼き」。一口ごとにじわりじわりと肉の旨みが押し出されてくる絶品です。

若狭牛 塩釜焼き若狭牛 塩釜焼き

 なお、料理に使われるハーブ類の一部は、この店の中庭で栽培されているものだそう。

 料理に合わせて供されるペアリングのワインもまた完璧。最初から最後まで、一貫して驚きとワクワクが止まらないディナーでした。

 食後は静かな夜の三国湊の町を歩いて宿に戻ります。今しがた堪能したばかりの料理の余韻と、窓の外に広がる港町の雰囲気に包まれながら、心地よく眠りについたのでした。

配信元: 食楽web

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