経営課題とワインツーリズム

全国的にワイナリー数は増えているものの、その約6割が赤字という現状も報告された。函館市に自社畑を構え、ブルゴーニュ流のスタイルを踏襲する「ド・モンティーユ&北海道」(北海道)の矢野映氏は「ワイナリーが増えてもブドウが足りない状況は深刻」と指摘。岸平さんも、原料や水源不足によるブドウの取り合いや、価格上昇が経営難につながる問題を語り、「先を歩んできたワイナリーが伝えるべきことを伝え、流通や飲食関係者に支えてもらうことが重要」と強調した。
議論は、日本ワインの認知拡大策としての「ワインツーリズム」にも及んだ。カーブドッチは創設当初からツーリズムを意識し、レストランやベーカリー、温泉施設を備え、周辺ワイナリーと「ワインコースト」を形成している。掛川氏は「年間30万人が訪れるが、多くはワイン購入が目的ではない。足を運ぶことでファンになり、毎年新しいワインを楽しみにしてくれる。ロイヤルカスタマーを作ることが意義だ」と説明し、田崎氏も「日本ならでは、その土地ならではの唯一無二のワインを生み出す必要がある」と語った。
山梨県の使命と未来構想

最後に長崎幸太郎知事が挨拶。「日本ワイン発祥の地として全体を牽引し、その価値と文化を世界に示す責任がある。それが今の山梨県に課せられた役割であり使命だ」と力強く述べ、近く山梨を舞台に動き出す「日本ワインミュージアム構想」への意気込みを示した。

