将来への備えと現在の充実感、見直したい投資との距離感
Yさんのように、投資資金を捻出するために現在の生活を切り詰め、結果として人間関係や経験の機会を失ってしまうことは、近年問題視されています。金融庁の「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点(速報値))」によれば、NISA口座数は前年比10.4%増の約2,825万口座にのぼり、非課税制度を活用した資産形成は若年層にも定着しました。
その裏で、若者たちの消費行動には明らかな変化が起きています。SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の「20代の金銭感覚についての意識調査 2025」によると、20代の貯蓄額の平均は69万円と前回より13万円増加しています。
しかし一方で、趣味や遊びに使う金額は平均1万6,827円と2,200円減少しました。毎月自由に使えるお金も3万4,605円と2,491円減っており、娯楽や交際費を極力我慢して将来へ備える傾向が明らかになっています。
未来のための資産形成は生きていくうえで欠かせませんが、今しか築けない人間関係や自己投資の機会を絶ってしまうと、あとになって後悔を生む恐れがあります。
将来への備えと現在の充実感、どちらか一方に偏るのではなく、自分の生活が苦しくならない範囲で長く投資と付き合っていく視点が、今の若者には求められているといえるでしょう。
[参考資料]
金融庁「NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点(速報値))」
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社「20代の金銭感覚についての意識調査 2025」
