
世の中には「カリスマ的なリーダー」を掲げるオンラインサロンやビジネススクールが溢れています。しかし、トップの考えに共感して集まるだけで「楽して儲かる」といった魔法はありません。起業や独立を果たし、本当に自由な働き方を手にする人たちは、どのような環境で自己研鑽を積んでいるのでしょうか。16歳で社会に出て以来一度も会社に属さず、独自のコミュニティ形成を通じて数百億円の株式資産を築いた実業家・嶋村吉洋氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)より、真のコミュニティのあり方と自立した個の条件について考察します。
「本物の富裕層」のコミュニティでやっていること
私は、自分の価値観をコミュニティのメンバーと共有するために、「社会資本」「人的資本」「金融資本」の3つを大切にすることは、必ず理解してもらっています(※)。
※編集注:「社会資本(信頼できる人脈)」「人的資本(スキルや知識)」「金融資本(資産)」のこと。これらをバランスよく得ることが「本当の豊かさ」の条件だと嶋村氏は定義しています。従業員をやめることを強制するつもりはありませんが、従業員としての人生だけでは3つの資本をバランスよく得るのは難しいかもしれない、ということは納得してもらっています。ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』や『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』の考え方(※)に共感できない方は、正直なところ、私のコミュニティに参加してもあまり意味がないのです。
※編集注:ロバート・キヨサキ氏の考え方とは、著書で提唱されている「ESBI」という働き方の4分類を指します。嶋村氏によれば、世の中の大多数を占める「E(従業員)」や「S(自営業者)」は、自分の労働力を切り売りする「労働収入」であり、事故や不況で働けなくなれば即座に収入がゼロになるリスクを抱えています。嶋村氏のコミュニティは、そうした労働収入の限界を理解し、「B(ビジネスオーナー)」や「I(投資家)」という労働力に依存しない働き方を目指すという価値観を共有できる仲間に向けて形成されています。私たちのコミュニティでやっていることは、一般的には「チームビルディング」と呼ばれるものです。みんなでアイデアを出し合い、何か1つのことを成し遂げる。多くのビジネスプロジェクトで、参加したい人が自然と集まり、チームをつくって動かしていきます。
その結果、新たな事業が生まれたり、新たな会社やお店ができたりします。脱サラする人も多いですし、出資した人はビジネスオーナーや投資家になることもあります。「社会資本」「人的資本」「金融資本」の3つを、仲間で高めていく。これがコミュニティを持つことの強みだと思います。
チームリーダーは「カリスマ」でないほうがいい
もちろん「コミュニティ」といっても、いろいろなタイプがあります。
多くの場合、カリスマ的なリーダーがいて、その人の考えに共感した人が集まる形が多いでしょう。ネットなどで検索すると出てくる、多くのセミナーや勉強会、オンラインサロンなども、だいたいそんな感じだと思います。
そうなると、カリスマを超える人はなかなか出ないかもしれませんが、それでも成功者は生まれます。ただ、私自身はあまり「カリスマ」と持ち上げられる存在になりたくないですし、メンバーのみんなと対等でいたいと考えています。
むしろ、私よりも稼げる仲間がどんどん出てきてくれたほうが、コミュニティ全体にとってもプラスになるはずです。ですから、私を見て「これなら自分もすぐ嶋村と同じレベルになれそうだ」と思えるような意識の高い人を歓迎しています。
私たちのコミュニティでは「すぐ儲かる」「楽して儲かる」ような仕事ではなく、みんなで努力して一歩ずつ土台をつくっていくような事業を目指しています。イメージとしては、気が向いたときにだけ行く普通のジムではなく、本気で結果を出すために継続して集まるゴールドジムのイメージです。
ビジネスを始める以上、売上を伸ばすことや目標を達成することを重視しますが、強制はしません。ただ、「すぐ儲かりそう」「簡単に儲かりそう」といった軽い気持ちで来た人は、途中で「これは自分に合わない」と感じて離れていくことが多いです。
結果的に、人生を真剣に豊かにしたいと考える人だけが残るのです。そうした仲間とプロジェクトを動かすからこそ、多くの仕事が実を結ぶのだと思います。
嶋村 吉洋
実業家/投資家/映画プロデューサー
