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酒はやめたのに終わらない…アルコール依存症の30代男性が陥った“睡眠薬依存”

酒はやめたのに終わらない…アルコール依存症の30代男性が陥った“睡眠薬依存”

「酒……。酒を体に入れないと!」

コンビニに駆け込み、「ストロング系」と呼ばれる缶チューハイを買い、そのまま胃に流し込む。ようやく吐き気も震えも止まる。完全にアルコール依存症の状態だ。それを1日に何度も繰り返す。

いくら飲んでも酔いつぶれることができなくなった。しかし、体は確実に蝕まれていくーー。

本連載では、20代でアルコール依存症になった、ひとりの編集者の転落と回復の日々を追う。

眠剤と酒
筆者提供

◆酒は飲みたくなくなったけど…

「薬が足りない!」

糖尿病患者のための治療薬「GLP-1受容体作動薬」がダイエット女子たちに処方されまくって、在庫がないという話ではない。

筆者の睡眠薬(睡眠導入剤)が底をつく寸前なのだ。

30歳になる前までに500リットル近くのアルコールを摂取した結果、肝機能の指標であるγGTが、一般的に40〜60が平均値とされる中、「2410」という数字を叩き出した筆者は現在、断酒を継続中でその代わりに毎晩、睡眠薬を1.4リットルのノンアルコール飲料で流し込んで寝ている。

もともと、眠れないからアルコールの大量摂取に逃げてしまった経緯があるため、アルコール依存症の病院に通い始め、睡眠薬をもらうようになってからは、スパッと酒を飲むことはなくなった。むしろ、アルコール依存症のときの目眩や動悸が止まらないといった経験をまだ覚えているため、今さら酒を飲みたいとは思えないのだ。

「薬ってすごい」

とはいえ、それもアルコールが睡眠薬に取って代わっただけの話である。結局、睡眠薬を飲まないと寝付けないため、防災セットは一切準備していないが、急な外泊や災害など、なにかあったときのために常に睡眠薬はカバンに常備している。

「酒浸り生活から、今度は睡眠薬依存かよ……」

◆眠れない…入眠方法を模索し続ける

第4回の記事では筆者がストロング系によってアルコール依存症に陥るまでの経緯を紹介したが、そのオチは「酒以外のものに依存することになる」というものだった。つまり、今は睡眠薬とノンアルコール飲料なしでは生きていけないのだ。

どうやって、酒を飲まずにいられるようになったのかというと、アルコール依存症の病院で処方された、人間の中枢神経系に作用して、飲酒欲求を抑える作用を持つ「レグテクト」というアルコール依存症の治療薬やビタミン剤のおかげだろう。

また、アルコール依存症のときも、なんとか休肝日を設けようと「Yakult(ヤクルト)1000」と市販の睡眠改善薬、それと「メンタルバランスチョコレートGABA」で、酒を飲まずに眠ろうとしたことはあった。

しかし、大量飲酒で失神するかのごとく無理やり眠らせていた身体にそれらは通じず、結局朝まで一睡もできずに終わってしまった。すると、眠れないのがわかっているため、その後は休肝日と決めた日でも、酒を飲まずにはいられなくなる。

一応、酒を飲まない努力はしていた。ただ、身体は言うことを聞いてくれない。それが、レグテクトという薬一錠で飲酒欲求が一切なくなるのだ。

「薬ってすごい」

問題は10年の間に破壊された「入眠方法」をどう取り戻すかである。数年前まで、酒なくしては眠ることができず、飲み会で散々飲んでも、家に帰ると追加で急速にアルコールを摂取して酩酊状態に入らないと、眠気さえも感じることができなかった。

そこで、アルコール依存症の病院で「マイスリー」と「デエビゴ」を処方された。マイスリーは「ゾルピデム」が正式名称の非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬である。ロックバンド・神聖かまってちゃんの「マイスリー全部ゆめ」という楽曲もあるが、メンタルクリニックなどで処方されやすい「一般的な」睡眠薬である。

筆者もアルコール依存症の真っ只中に、都内の有名なメンタルクリニックで処方してもらったことがあった。

その日の晩は、マイスリーを一錠飲んでホットミルク片手に、子どもの頃にやってみたかった『ピクミン』というゲームをやりながら自然と睡魔に襲われようと考えたのである。

わざわざ中古ゲームショップでコントローラーなども購入したのだが、いざ始めてみると自分の操作ひとつでピクミンたちは死んでしまう。しかも、ピクミンたちは言うことを聞いてくれないため、その場に留まって夜に巨大生物に食べられてしまう。そして、毎晩のように死んだピクミンの累計を報告されてしまうため、一気に気分が落ち込んでしまい、眠れなくなってしまった。

「もう、睡眠薬なんて飲まない……」


配信元: 日刊SPA!

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