今回、林社長に迫るのは、「令和の虎」に出演する社長やビジネス系ユーチューバー、経営者らをインタビューし続け、彼らに共通する思考法とメカニズムをまとめた『武器としての影響力』(サンライズパブリッシング)を上梓した水野俊哉さん。

◆故・岩井社長から受け継いだバトン

林 「令和の虎」は、事業の夢を持つ志願者が、投資家である「虎」たちを相手にプレゼンを行い、出資を募るという番組です。僕が主宰を務めることになったのは、初代の岩井社長が亡くなられたことがきっかけでした。生前、彼から「ピンチヒッター的に2代目をお願いします」とLINEで頼まれてはいたんです。
水野 それは、岩井社長からの直接のご指名だったのですね。
林 はい。ただ、その時は「2代目にはなりません」とお断りしました。岩井さんがご存命のうちに僕が2代目になってしまうと、岩井さんが戻ってこなくなるような気がして、それは避けたかった。
ですが、彼が亡くなった後、番組メンバーや奥様と何度も話し合いを重ね、最終的に僕が正式に引き継ぐことになりました。今は3か月に一度、有志のメンバーで会議を開き、虎みんなで方向性を決めて改革を進めています。
◆前澤友作も動かした「トークン経済圏」の衝撃

林 あの時は本当に驚きました。前澤さんクラスの方が、台本も一切ないガチンコの場に出てきてくれたわけですから。放送後、前澤さんがご自身のサービス「KABU&」の利用者にアンケートを取ったところ、「サービスを知ったきっかけ」の第1位が「令和の虎」だったそうです。
莫大な広告費をかけたテレビCMよりも、令和の虎のほうが効果があったと証明してくれた。これは僕にとっても大きな自信になりました。
水野 なぜ、前澤さんは出演を決意されたのでしょうか。
林 実は、僕がSNSなどで「トークンの可能性」について発信していたことがきっかけだったそうです。「サービスを利用したら、その対価として株やトークンがもらえる。それが値上がりすれば、資産形成につながり、格差是正の一助になる」という発信に、大変僭越ながら似た考えだなと思ってくれたようです。
「自分も同じ考えだったから」と、出演理由を直接教えてくれました。前澤さんがやっているのは株ですが、根底にある思想は同じなんです。
水野 なるほど。「トークン」という言葉に馴染みのない読者もいるかと思います。林社長が提唱するトークンの仕組みと、その可能性について、もう少し詳しく教えていただけますか。
林 はい。例えば、僕が新しい本を出すために、出版費用をクラウドファンディングで集めるとします。仮に1冊1500円で支援を募り、リターンとして完成した本を1冊お渡しする。
これだけだと普通のクラウドファンディングですが、ここに「1500円分のトークン」を付与するのがポイントです。このトークンを持っている人には、僕の会社のサービス割引や、限定イベントへの参加権といった特典が付いてきます。
水野 つまり、単なる“購入”ではなく、“投資”に近い価値が生まれるわけですね。
林 その通りです。僕自身の人気や知名度が上がれば特典の価値も高まり、トークンを欲しがる人が増えます。すると、ゴルフ会員権のようにトークン自体の価格が上昇する可能性がある。
1500円で本が1冊手に入り、さらに持っているトークンが将来1万5000円になるかもしれない。たとえ価値が10分の1になっても150円は返ってくるし、1500円で売れれば本代は実質無料です。これは、誰も損をしない画期的な仕組みだと確信しています。

