◆ヒカルも心酔する「人たらし」経営術の神髄

林 自分では特に意識したことはありません。ただ、人と会って話をするのは好きですね。ヒカルさんと40日連続で会っていたこともあります。
ハワイ旅行でいったん途切れましたが、帰国後も2~3日に一度は誰かと飲んでいます。ヒカルさんとも、撮影だけでなくプライベートで飲みに行くことも多いですよ。
水野 40日連続はすごいですね。ヒカルさんがSNSで林社長のことを頻繁に取り上げているのも、頼んでいるわけではないと伺いました。
林 ええ、あまりお願いしたことはないです。ヒカルさんが「林のために何かできないか」と自発的にやってくれています。まるで、芸能界で松本人志さんに気に入られているような感覚に近いかもしれません。さんまさんとジミー大西さんのような関係性、と言えばわかりやすいでしょうか。
ヒカルさんのような夢のある方に気に入ってもらえているのは、本当に幸運なことだと感じています。
水野 影響力を持つことで、ビジネスのやりやすさも変わりましたか。
林 圧倒的に変わりましたね。武田塾を創業して17~18年かけて築き上げた利益と同等の額を、有名になってからは、わずか2~3年で生み出すことができました。
影響力があれば取引先との商談はスムーズに進みますし、人材採用もラクになる。社員も辞めにくくなります。
同じ言葉を発するにしても、無名な人間が言うのと、知名度のある人間が言うのとでは、相手の納得感がまったく違いますから。
水野 発言の重みが変わる、ということですね。
林 そうです。言葉一つひとつの価値が、影響力によって変わる。それはビジネスだけでなく、あらゆる場面で実感しています。だからこそ、僕はもっと有名になる必要があると考えています。
それは単に会社を大きくするためだけではなく、その先にある、もっと大きな目標を達成するためです。
◆「国民投票で日本を改革する」という政治構想

林 僕は“池上彰的な総理大臣”を目指したいんです。今の日本には、年金問題、社会保障、労働規制など、改革すべき課題が山積しています。
例えば、解雇規制が厳しいせいで、企業はリスクを恐れて従業員の給料を上げられない。でも、解雇規制を緩和する法案を提出すれば、国民から猛反発を食らって内閣がもたない。だから、誰も手をつけられないんです。
水野 政治家がリスクを取れない構造的な問題がある、と。
林 ええ。そこで僕が提案したいのが、重要な改革案を国民投票にかける、という仕組みです。
例えば、「給料を上げるために解雇規制を緩和する法案に賛成ですか? 反対ですか?」と、選択肢を国民に直接提示する。総理大臣は「どちらに決まってもいい」という中立な立場で、テレビやYouTubeで徹底的に議論の場を設ける。そして、国民自身に決めてもらうんです。
水野 政治家が決めるのではなく、国民が直接意思決定をするということですね。
林 そうです。もし、国民投票で「解雇規制緩和」が可決され、結果的に社会の格差が広がったとしても、それは国民自身が選んだ道です。
政治家が独断で決めれば「政治が悪い」となりますが、自分たちで決めたことなら、その結果に対する責任感も生まれる。議論の過程で、制度のメリット・デメリットを国民一人ひとりが学ぶことにもなり、民主主義の成熟にも繋がります。
水野 面白いアイデアですね。まさに「令和の虎」の政治版、といったイメージでしょうか。
林 それとは違う気がしますが(笑)。もし“林内閣”が誕生したら、まず最初にこの「国民投票法案」を成立させます。そして、月に一度、あるいは数か月に一度のペースで国民投票を実施し、これまで誰も手をつけられなかった課題を次々と解決していく。
夫婦別姓のような意見が分かれる問題も、国民の総意で決めればいい。そうやって、停滞した日本を前に進めていきたいんです。

