茨城県の筑波山北麓にある「はにわの西浦」は、創作ハニワを販売するお店だ。「創作」と聞くと「一流シェフの創作料理の店」みたいに連想しがちだが、こちらは「トンデモ創作系」。もちろん「愛すべき」という言葉が付く。

◆廃墟のような建物に並ぶ大量のハニワ
外観は、廃校の一部をリノベーションしたかのような大型の木造建築。蔦に覆われ、かなり植物に侵食され、一見「廃墟かな?」と思う。古電柱を再利用し建てられた建物の中は、1階も2階もものすごい数のハニワが並んでいる。前庭や入口にも大量のハニワが溢れ、建物と別棟の周囲も草まみれのハニワが塀のようにズラリと取り囲む。
◆学者が「こんなものはハニワじゃない」と怒り出した
「はにわの西浦」は、本物のハニワをモチーフとしつつもアレンジを加え、サボテンや丸型郵便ポストなど実際にはありえないものまでハニワとして売っている。時代的にはるかに古い縄文時代の遮光器土偶や火焔土器のハニワもある。同じ粘土の素焼きでも、土偶・土器は野焼きなのでススで黒ずみ、ハニワは窯で焼くので黒くならない。以前学者が訪れて、「こんなものはハニワじゃない」と怒り出すこともあったらしいが、そんなことはおかまいなしだ。先代の山中征一さんが、素焼きの植木鉢を製造する「西浦製陶」を創業したのが1960年頃。当時、鉢植えの花が大人気で、植木鉢を作れば作るだけ飛ぶように売れた。だが、70年代に入るとプラスチック製の植木鉢が主流に。周りの同業者は次々廃業するなか、もともとハニワ作りが好きだった先代は業態転換を決意。ちょうど店の前に県道が整備されるのを機に、ハニワの店としてオープンする。運よくNHKで紹介され、全国からお客さんが訪れるようになり、値の張る大きなハニワも飛ぶように売れたそうだ。

