
日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。
「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを、第一園芸のデザイナー・志村紀子がご紹介します。
2026年3月20日から二十四節気は春分に
春分は秋分と同じく、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日で、この日を境に夏至に向かって昼が長くなっていきます。
暦の上でも実際の季節でも、春の気配に満ちるこの時季にぴったりなのが「リューココリーネ」。
香りのよい繊細な花と、すらりと伸びる茎が、やわらかな春の景色によく似合います。
今回は、そんな春の花・リューココリーネを使った花あしらいをご紹介します。

伸びやかな線を楽しむ
リューココリーネは、すっと伸びた茎が魅力のひとつです。
花が咲く時季には葉が出ない「根出葉(こんしゅつよう)」という特徴があり、花屋に並ぶ頃には葉がありません。
しかし、葉がなくても、ほっそりとした美しい茎も鑑賞の対象です。
そこで、花へとつながる自然な曲線を活かし、数本の束を左右に分けて飾りました。
シンメトリーのドラマティックさと、自然の中にあるような雰囲気の両方を楽しめる花あしらいです。

束にして線を強調する方法の他にも、1本ずつの線を活かす方法もあります。
ここでは、白いリューココリーネをさまざまな方向へ向けて生けました。
交差する線の先で、花がふわりと浮かび上がるように見え、軽やかな印象が生まれます。
繊細な花をあしらう場合は、花器の色を抑えたシンプルなものを選ぶと、花の印象を損なわず、一体感が生まれます。

一輪の魅力
リューココリーネは1本でも存在感が抜群です。
そこで、雰囲気の異なる花と組み合わせて、お互いの魅力が引き立つ花あしらいを考えてみました。
金色の器に淡いピンクのアジサイを生け、中心にリューココリーネを添えました。
金、ピンク、白の淡いトーンが調和した、上品で可愛らしい印象の花あしらいです。
花を留めているのは、金色のソフトワイヤーを丸めたもの。少し見えるようにしても素敵なアクセントになります。

今度はシルバーのクラシックなグラスに、スイートピーと雪柳、そして、短めに切ったリューココリーネを添えました。
かたまりと線を活かした春の花々に、リューココリーネの花がアクセントになった花あしらいです。

