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子や孫への節税のつもりが“なかったこと”に…2031年から本格始動、「生前贈与加算」7年ルールの恐怖。あと5年で相続税が増える人・増えない人の線引き【税理士が解説】

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「特定贈与財産」は加算対象から除外される

◆加算期間内の贈与財産すべてが加算されるわけではない

吉田課長「この加算期間内に贈与を受けた財産は、すべて相続財産に加算されてしまうのですか?」

いいえ、すべてではありません。加算されるのは「加算対象贈与財産」(上記1(3)に限られ、結論としては、贈与税が課税される財産の金額が加算されます。反対に、贈与税が非課税となる部分は加算されません。

また、相続税法19条2項で定める「特定贈与財産」についても、加算対象贈与財産から除外されます。

吉田課長「『特定贈与財産』とはなにか、くわしく教えてください」

「特定贈与財産」とは、婚姻期間20年以上の夫婦間で行われた居住用不動産またはその取得資金の贈与のうち、贈与税の配偶者控除(相続税法21条の6第1項)によって非課税とされる部分を指します(下記3)。

3.特定贈与財産(相続税法19条2項)の金額

次の(1)〜(3)の要件を満たす贈与財産のうち、一定の金額を「特定贈与財産」として、加算対象贈与財産から除外する。

(1)配偶者である被相続人からの贈与

婚姻期間が20年以上であること。

(2)配偶者が取得した贈与財産

居住用不動産または金銭であること。

(3)特定贈与財産の金額

次の①または②に該当する場合、その区分に応じて定められた金額を、加算対象贈与財産から除外する。

①相続開始年の前年より前に、贈与税の配偶者控除(最高2,000万円非課税)の適用を受けている場合

……このとき非課税とされた金額が「特定贈与財産」となり、加算対象から除外される。

②相続開始年に配偶者控除の適用があり、過去に適用を受けたことがなく、一定の手続きを経ている場合

……配偶者控除を適用したと仮定した場合に非課税となる金額が「特定贈与財産」となる。

具体例で説明します。たとえば、祖母が、死亡した祖父(被相続人)から、2年前に評価額2,500万円の居住用不動産の贈与を受けたとします。

このとき、贈与税の申告では、2500万円から非課税である配偶者控除2,000万円と基礎控除額110万円を差し引いた390万円について贈与税の申告を行いました(なお、贈与税額は48万5,000円でした)。

このケースでは、特定贈与財産として除外される金額は2,000万円となり、残りの500万円が加算対象贈与財産として相続財産に加算されます。

相続開始年に配偶者控除が使えない場合の「特例」

吉田課長「3(3)②の『配偶者が相続開始の年において贈与税の配偶者控除の規定の適用を受けようとした場合』というのがわかりにくいのですが……どういうことですか?」

これは、妻が贈与税の配偶者控除を使う予定で、夫が亡くなる前に夫から居住用不動産の贈与を受けていた場合の取扱いを指しています。

この規定を理解する前提として、次のルールがあります。

「相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産は、贈与税ではなく相続税が課税される(相続税法21条の2第4項)」

このため、相続開始の年に贈与を受けた場合は、贈与税の配偶者控除(最高2,000万円非課税)を使うことができません。

しかし、これでは「すでに配偶者控除を使った人」と「使う予定だったが、相続開始の年になってしまったため使えなかった人」のあいだで不公平が生じます。この不公平を解消するために設けられたのが、前掲3(3)②の規定です。

◆基礎控除内でも加算対象となる贈与

吉田課長「贈与税の基礎控除額との関連で質問します。たとえば、子どもである相続人が、父親(被相続人)から相続開始の2年前に50万円の贈与を受けていた場合はどうなりますか?」

50万円は、贈与税の基礎控除額110万円以内なので、贈与税はかかりませんし、申告も不要です。

ただし、相続財産への加算規定は、贈与金額の多寡で決まるものではありません。適用があるかどうかは、その贈与が「非課税贈与」に該当するかどうかで判断されます。たとえば、「扶養義務者間の生活費」や「教育費」など、通常必要な範囲の資金援助は贈与税が非課税とされています(相続税法21条の3)。

しかし、これらに該当しない贈与であれば、金額が少なくても加算の対象になります。

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