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子や孫への節税のつもりが“なかったこと”に…2031年から本格始動、「生前贈与加算」7年ルールの恐怖。あと5年で相続税が増える人・増えない人の線引き【税理士が解説】

子や孫への節税のつもりが“なかったこと”に…2031年から本格始動、「生前贈与加算」7年ルールの恐怖。あと5年で相続税が増える人・増えない人の線引き【税理士が解説】

「税務調査」では最長7年分の預金動向がチェックされる

吉田課長「被相続人になる父親の預金通帳が気になりますね」

相続税の税務調査では、相続財産への加算規定の適用の有無を確認するため、被相続人の預金通帳の動きを前もって詳細に確認します。

その過程でもし数十万円単位の出金があれば、その目的や使途について、同居していた配偶者や子どもに質問が行われます。生活費としての出金なのか(課税なし)、誰かへの贈与目的なのか、といった点を確認するためです。

もし、加算対象期間内に相続人等へ贈与したと認定されれば、相続財産への加算規定が適用され、「申告漏れ」として扱われます。確認対象となる期間は、相続開始の時期によって異なりますが、相続開始前3年から最長7年に及びます(前掲1(2)①~③)。

このように、最大7年前の預金の動きを説明する必要があるため、まとまった金額を出金する際には、通帳に出金目的をメモしておくとよいでしょう。

令和5年の税制改正で加えられた「最高100万円控除」とは?

吉田課長「話を相続財産への加算規定の適用要件に戻します。前掲1(4)の『加算対象贈与財産の金額から最高100万円を控除する』という規定には、どのような意味があるのでしょうか」

これは令和5(2023)年の税制改正で追加されたものです。

具体的には、相続開始前3年を超え7年以内に贈与により取得した財産がある場合、その合計額から100万円が控除されます。この規定が実際に適用されるのは、令和9(2027)年1月1日以後の相続からです(前掲1(2)①②)。

この規定は、相続財産への加算対象期間が「3年以内」から「7年以内」へ拡大されたことに伴う緩和措置と位置づけられています。

吉田課長「加算対象となる贈与財産については、贈与税を支払っている場合もありますよね」

支払った贈与税については、その贈与を受けた相続人等の相続税額から控除されます(下記2(2))。

2.取扱い(相続税法19条1項)

(1)相続税額の計算

加算対象贈与財産の金額を相続税の課税価格に加算したうえで、相続税額を計算する。

(2)加算対象贈与財産に贈与税が課された場合

その贈与税は、支払った相続人等の相続税額から控除する。

(3)相続人等の相続税額から控除する金額

次の算式により計算した金額をいう。

(注)相続税の課税対象とされた金額の合計額(相続税法施行令4条1項)
……相続開始前3年以内に取得した財産以外の財産については、その財産の金銭の合計額から100万円控除する前の金額を用いる。

また、同一年に受けた贈与のうち、前掲1(2)の期間区分により「加算対象となる財産」と「加算対象とならない財産」が混在する場合には、上記2(3)の算式に基づき控除額を計算します。

この際、分数式の分子に計上する「相続税の課税価格に加算された部分の金額」には注意が必要です。

具体的には、その年分の贈与税の課税対象となる財産のうち、贈与日が相続開始前3年を超えており、かつ相続税の課税対象となる場合には、その財産の金額は100万円控除前の金額を用います(上記2(3)注)。

このように、令和13(2031)年1月1日以後の相続では、最長7年前までさかのぼって贈与財産を相続税の課税対象とすることになります。

したがって、生前贈与を活用して相続税対策を行う場合には、10年ぐらいの長いスパンで計画的に取り組むことが望ましいといえます。

多田雄司

税理士

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