「好きでもないのに吸わないと体調が悪い」“毎日5本のタバコ”がやめられない30代男性の奇妙なポリシー

「好きでもないのに吸わないと体調が悪い」“毎日5本のタバコ”がやめられない30代男性の奇妙なポリシー

◆ひとり暮らしのタイミングで、まずは禁煙パイポ


本気で吸おうと思えば、父親が眠っている間にタバコを拝借することもできたが、残念ながらライターの付け方がわからないのと、吸い方もよく理解していなかった。

「肺に煙を入れるとはいうが、だったら口から出している煙はなんなんだ?」

結局、タバコを吸えないまま、大学進学のために日本にひとりで帰国。寮生活を始めたので、とりあえずドラッグストアで禁煙パイポを買った。理由は未成年だからだ。

ただ「私はこれ(禁煙パイポ)でタバコをやめました」というキャッチフレーズの通り、あくまでもこれは禁煙のための商品である。ニコチン中毒でもなければ、これまでタバコを吸ったことのない筆者にしてみれば、シャボン玉を吹くときのやつと大して変わらない。本当に意味のないことをしていた。

そんなこともあったが、大学に入ってしばらくして成人したので、堂々とタバコも買えるようになった。そこからは、もう暇さえあればタバコを吸うことになる。当時はまだキャンパス内にたくさん喫煙所があったため、講義が終われば1本、昼食後に1本と何かにつけてタバコを吸う。アルバイト中も休憩に入ればまずは一服していた。

先輩たちに教えてもらって、タバコの吸い方とライターの付け方を教わったのだが、結局タバコの持ち方がわからず、「日本赤軍の重信房子と同じタバコの吸い方だね」と言われてしまった。

また、「中央大学 4号館」で検索してもらえるとわかるのだが、当時の筆者は廃墟のようなサークル練に講義以外の時間はたむろしており、この建物の階段の踊り場などではタバコが吸えた。そこで、サークル活動でフリーペーパーを作っているときなどは、徐々に集中力が切れてしまうため、校了期間中は2時間に1回はタバコ休憩に入った。

さらに、今では考えられないが、もうひとつ所属していた軽音楽サークルは、サークル室内でタバコが吸えたため、1曲演奏するごとにタバコ休憩に入っていた。

当初はストレスから逃れるためにタバコを吸っていたはずが、いつからかタバコを吸わないとストレスを感じるようになった。完全に血中のニコチン濃度がある一定以下になると不快感を覚え、喫煙を繰り返してしまう「ニコチン依存症」である。多分、1日8〜10本は吸っていた。

◆喫煙所での人間関係に疲弊


そして、卒業後は出版社で社会人生活を始めるのだが、出版人の喫煙率は高い。社内には喫煙室があったが、常に人でいっぱいだった。

本来であればここで「タバコミニュケーション」などといって、先輩たちに話しかけるべきなのだが、20歳以上も歳の離れた大人たちと何を話していいのかわからない。また、会話しながらではなく、自分のペースでタバコを吸いたいため、徐々に喫煙所に行くのが億劫になり、1日の喫煙本数は減った。そもそも、タバコ休憩が多いと嫌味を言われてしまう気がした。

そのため、帰宅してからカロリーの高い弁当を、アルコール度数の高い酒で流し込んだあとに吸うタバコが至福だった。疲れ、酔い、満腹感……。すべてがタバコをうまくしてくれたのだ。

ただ、タバコの本数が減っていくのと比例して、酒の量が増えていくと、体の調子がおかしくなってきた。働いている間はタバコを吸わなくても、集中力は途切れないのだが、タバコを吸わないと吐き気を催し、体中が痺れ、なんだか熱っぽく感じてしまう。

そのような体調だと最良のパフォーマンスを発揮できないため、出社したらとりあえず会社が入っているビルの喫煙所でタバコを2本吸った。すると、目眩や吐き気などはなくなり、その日はそれ以上タバコを吸わなくても平気になった。

だったら、そのまま禁煙すればいいのだが、やはりタバコを吸わなければ、1日中吐き気が止まらず、落ち着きもなくなるため、無理にでも吸う必要があったのだ。

ここまでくるともう「タバコおいしい!」なんて思うことはなくなった。義務のように吸っていたため、「不便な体になったな」と感じる始末だ。血中のニコチン濃度が一定以下になったときにタバコを吸いたくなるはずである。それを朝の2本で済ませられるということは、一度に1日分のニコチンを摂取できたのだろうか……。


配信元: 日刊SPA!

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