◆ナイトワークの“受け皿”からもこぼれ落ちる人々の実態

具体的に言うと「飽き性で1か所に身を置けない」「身分証不所持のため、面接へ行けない」「遅刻や当日欠勤を繰り返し、何度も解雇される」といった人は、最低限の条件を満たしていない。
もともと夜職とは、一般職が難しい人々の受け皿だったはずなのに、既に一部は受け皿から溢れ出ている。よって正規ルートでの労働が困難となり、ルール外の立ちんぼやパパ活、SNSでの個人売春に辿り着くのだ。
身分証不所持など世間一般で考えれば、あり得ない話だろう。けれども、この世界には保険証ですら持っていない人は一定数いて、仲間内で1枚の保険証を使い回す違法行為も横行する。診療は受けられるものの、就労に必要な条件を満たせず、行きつく先は身分証不要の怪しい仕事しか残されていない。
その手の仕事が存在すること自体が問題ではあるものの、現実への理解が薄いナイトワーカーが多いのも事実。「稼げればなんでもいい」という無謀さが闇を深め、己をスタートラインから大きく遠ざけるのだ。
◆起きられない、シフト通りに動けない…「基礎」ができていない若者たち
昔から朝が苦手で、その日の気分で欠勤をするナイトワーカーは大勢いる。定時出勤・退勤が厳しいからこそ夜職に就くのだが、近頃のお店はどこも水準が高い。客入りが厳しい一方でキャストばかりが増え、苦戦を強いられ続けるからこそ働き手に意識の高さを求めるようになったのだ。少ない客をガッチリと獲得し、利益を出すにはいい加減な人間を排除するほかない。その結果、働き手の側で朝起きられず、シフト通りに動けないうえに接客態度が悪ければあっさりとクビか、ひっそりと干され、退店を申し出るように促される。
店のルールを守るのは当然なものの、こういった「基本のキ」ができていない若者が今は特に多い。どこかで多様性とわがままを履き違え、違法店でもお金を得る手段が用意されてしまっているからこそ、ズルズルと闇の底へ引きずり込まれて行くのだ。

