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【インタビュー】等身大のリーダーが、居心地の良い組織をつくる。三重県の運送会社・多貴商運トップの素顔

【インタビュー】等身大のリーダーが、居心地の良い組織をつくる。三重県の運送会社・多貴商運トップの素顔

運送業はサービス業。現場のプロが見せる「気配り」へのリスペクト

—— 社長就任時にすでに会社として強い基盤ができていたことがうかがえます。前回の記事でも、多貴商運の強みは「人材だ」とおっしゃっていましたね。

東出:運送業って、あくまでもサービス業なんですよね。私たちはものづくりをやっているわけではない。そのため、最終的にはお客様に喜んでもらうことが重要になります。

同業他社と同じことをしていてはだめで、差別化できる部分はやはり現場を動かす「人」なんです。

——人による差別化とは、具体的にはどのようなことでしょう。

東出: 現場で働いてくれているスタッフの、マニュアルを超えた対応力です。

特にドライバーという職業は、常に管理者が近くにいるわけではなく一人でいる時間が長いので、「言われなくても、気を遣ってパパっと動ける」ことは重要ですし、そうした手際の良さや気配りを持っている人がたくさんいるんです。

これは一般的なオフィスワークと比べると特徴的なポイントだと思います。現場の方々がそれぞれの持ち場を全うし、安定して勤務してくれるからこそ、お客様に喜んでもらえている。運送業にとって、そういう現場の品質は非常に重要なんです。

厳しすぎる世の中で、「居心地の良さ」をどう守り抜くか

—— 現場へのリスペクトがあるからこそ、会社の目標として「居心地の良さ」を掲げられているのですね。

東出: 同業他社よりも居心地がいい会社を目指したい、ということはずっと考えています。

最近は「2024年問題」と呼ばれる物流業界における法規制も強くなっていて、休憩の取り方やデジタコの操作、労務管理など、働く側からすれば煩わしい管理業務が確実に増えています。(*)

ただでさえ大変なドライバーに、世の中の規制がさらに「遊び」をなくしているように感じていて、そこにはずっと疑問を感じているんですよ。

法律は守り、お客様の要望にきちんと応えることは大切にしつつも、窮屈になりすぎないようにしたいです。

(*)2024年問題…2024年4月からトラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用され、年間残業時間が原則960時間に制限されたことを指す。労働時間の短縮により輸送力の低下や人手不足の深刻化が懸念されている。

デジタコ(デジタルタコグラフ)…トラックの走行時間や速度、休憩時間などを自動で計測する機器。国が進める物流DX推進の一環として、導入の義務化が進んでいる。

—— 社員とのコミュニケーションの際にも人間味を大事にされているそうですね。

東出:基本的に現場に対して私が直接ガミガミ言うのはどうなのかな、と思っています。社長が現場に出てきて「これを変えろ」なんて言い出したら、堅苦しくなって嫌じゃないですか。

もちろん私も完璧ではなく、たまに直接社員に伝えてしまって、あとで反省することもありますけどね。

また、社員の中には喋りたい人もいれば、そうでない人もいる。一人ひとり違う価値観に対して、人間味を大事に、お互いに配慮するコミュニケーションを大事にしています。

—— そうした姿勢が、人材の定着にも繋がっていそうです。

東出:そうですね。当社は積極的に中途採用を行っている一方で、10年以上勤めている方など、長く在籍している社員も多くいます。

私自身は20代の頃、一か所に定着できなかったので、一つの会社で長く勤める方に対してそれだけで「すごいことだ」と心から思っています。長くいてくれる人は会社のことをそれだけ理解もしてくれていますし、そういう人を大事にしないと会社は回りません。

—— 社員を大事にしたい、という思いは、グランピング施設やフィットネスジムなど福利厚生の充実度にも現れていますね。

社内のフィットネスルームの様子。長時間同じ姿勢で働くドライバーの健康管理のために設置されている。

社員同士の自然なコミュニケーションを生み出すモダンな社内カフェ。打ち合わせに便利なテーブル席から、くつろげるソファ席までを完備。

東出:運送業って他業種に比べると人気がないですし、ただでさえ大変なことが多い職種です。働いてくれている皆さんにはお給料や福利厚生という形でできるだけ還元したいという気持ちは持っています。

配信元: Nativ.media

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