タケノリさん一家の世帯年収は?
合格後、タケノリさんが最初に支払ったのは入学金25万円でした。そのあと、制服一式やバッグなど指定の学用品を購入し、全部で20万円ほどの支出です。
合格から1ヵ月で約45万円かかりましたが、年間約70万円の授業料はまだこれから……部活動が始まれば、指定品の購入代が追加でかかってくるでしょう。
タケノリさん一家の世帯年収は約800万円(夫:700万円、妻:100万円)、月々の手取りは約48万円です。住宅ローンに10万円、食費(外食費を含む)に10万円など、固定の支出を引いていくと、塾にかかる費用を一部援助してもらったうえで、毎月の貯蓄は3万円程度でした。現在の金融資産は1,000万円ほどです。
これから両親には頼れないとなると、このままでは、タケノリさん夫婦は貯蓄できないどころかボーナスで赤字を補てんするような状況が続くことになります。
現実を直視するにつれ、タケノリさんはだんだん不安になってきました。
中学受験して良かったんだろうか……。
文部科学省「子供の学習費調査」によると、私立中学に通う子どもを持つ親の世帯年収は、1,200万円以上が約42%を占めるものの、600万円~1,000万円未満は約27%と、決してタケノリさんのご家庭だけが悩んでいることではありません。
では、教育費をどのように準備していけばよいのでしょうか?
教育費対策の不安を解消する具体的な対策
教育費への不安を解消するために最も重要なのは「見える化」です。
今後いつ、いくら必要になるのかを整理し、家計の収支と照らし合わせることで、現実的な対策を立てることができます。
支出を減らす、収入を増やすことはもちろんですが、たとえば、国の児童手当。
3歳未満は月15,000円(第3子以降は30,000円)、3歳以上高校生年代までは月10,000円(第3子以降は30,000円)の支給を受けることができます。タケノリさんは東京都在住ですから、018サポートとして、子ども一人当たり月額5,000円の上乗せもあります。
この金額を教育費として積み立てておくだけでも、中学校入学時には約250万円になります。NISAなどを利用するのもよいでしょう。
一家の「その後」
その後、夫婦は支出を見直し、タケノリさんのお小遣いも月5万円から3万円に。保険やサブスク契約も整理しました。
さらに、中学受験に伴走していたカオリさんはパートから就業時間を増やし、派遣社員として働くことに。これで世帯年収はプラス150万円です。タケノリさんが在宅勤務の日は、夕食作りはタケノリさんが担当することにしました。
そして……実は、合格祝いとして家族3人で海外旅行に行くことを考えていたのですが、夫婦で「両親への感謝が先だろう」と考え直しました。春休みには、両親も交えて5人で国内に温泉地に旅行に行くことにしたそうです。
“援助が前提”のプランは危険
教育費は特別費ではなく、日常的な積み重ねで対応することが現実的といえます。
子どもの教育を優先するあまり、老後資金が不足してしまえば、結果的に子どもに負担をかけることにもなりかねません。
祖父母の援助がある場合でも、それを前提にするのではなく、自分たちの収入でどこまで対応できるのかを確認しておくことが重要です。
石川 亜希子
CFP
