脳トレ四択クイズ | Merkystyle
ヤマハで働いていたら遭遇、「圧倒的な天才」超大物プロデューサーとの才能の差…音楽の夢〈印税収入〉を諦めるも、確信した「凡人の戦い方」

ヤマハで働いていたら遭遇、「圧倒的な天才」超大物プロデューサーとの才能の差…音楽の夢〈印税収入〉を諦めるも、確信した「凡人の戦い方」

「自分には突出した才能がない」。そう思い知らされたとき、私たちはどうやってビジネスの世界で生き残ればいいのでしょうか。現在は数百億円の資産を持つ実業家・嶋村吉洋氏。そんな彼も、若き日に音楽の世界で一旗揚げようとしていたところ、圧倒的な天才を目の当たりにし、自身の才能の限界を悟った一人です。しかし、彼はそこで立ち止まるのではなく、「天才がいなくても勝てる戦い方」へとシフトしました。同氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)より、ビジネスの成功者や幸せなお金持ちに共通する土台を読み解きます。

ヤマハで出会った“裕福そう”なキーボード講師の「意外な収入源」

私にとって大きな経験だったのは、ヤマハ系列の楽器店で働いたことです。当時の私は、楽器屋で働きながら作曲をし、印税収入を得て、それを元手にコミュニティづくり(※)ができるのではないかと考えていました。

※編集注:筆者は同書で下記のように主張しています。

先行きが不透明な時代において、個人がフリーランスとして独立し、ビジネスを成功させるための最大のカギは「コミュニティ(信頼できる仲間)」の存在です。会社員時代に成果を出せなかった人が単独で戦って急に成功するほど甘くはなく、自身のファンとなってくれる仲間と協力し合うことで、初めて持続可能な経済基盤をつくることができます。強固な信頼関係で結ばれたコミュニティさえ構築できていれば、どんな事業を始めるにしても失敗のリスクを劇的に下げることが可能です。

かつてヤマハの音楽教室が非常に人気を集めていた時期がありました。ヤマハには、ドラムやギターなど、さまざまな楽器の先生が所属していたのですが、その多くはトッププロを目指しつつも、生活のためにヤマハで教えている人が多かったように見えました。正直なところ、あまり裕福には感じられなかったのです。

そんな中で、1人だけ明らかに雰囲気の違う、裕福そうなキーボードの先生がいました。

ある日、スタジオの掃除に行ったとき、その先生が1人でピアノを弾いているのを見かけました。「これはチャンスだ」と思い、思い切って話しかけてみました。

「失礼ですが、先生は他の先生とまったく違って見えます。先生だけ、特別にお金があるように見えるのですが、何か他にお仕事をされているのですか?」

私が知りたかったのは、商売の秘訣のようなものだったと思います。ただ、先生の答えは少し拍子抜けするものでした。

「いや、実は実家が裕福なんだ。家業には参画していないけれど、私は役員になっていて、何もしなくてもお金が入ってくるんだよ」その先生の家業は日本を代表するような大会社だったのです。

そのとき私は、次のように思いました。「そうか、この先生は実家が裕福でスポンサーになってくれるから、好きな仕事で儲からなくても趣味のように続けられるのか」「自分は実家が裕福ではないので、自分が自分のスポンサーになれるように努力すればいいだけだ」

それから私は、シンセサイザーを販売しながら勉強し、作曲にも力を入れ、軍資金となる印税収入を目指すようになりました。

「ビジネスの基本」は才能がなくても揺らがない

そんなあるとき、T.M.Revolutionのプロデューサーとして有名な浅倉大介氏が、私の勤めていた楽器店にゲストとして来られたのです。そして、ヤマハの天才デモンストレーターと呼ばれていた浅倉氏の演奏を、私は舞台袖で聴くことができました。

そのとき、圧倒的な実力の差をまざまざと見せつけられ、「ああ、もう無理だ。こんな天才がいる世界で印税収入を得ようなんて、自分はとんでもない勘違いをしていた」と感じました。こうして私は、才能が求められる音楽の世界ではやっていけないと判断したのです。

音楽そのものはあきらめましたが、「不労収入を得て、労働時間単位でお金を稼ぐことから脱却する」という考え方が揺らぐことはありませんでした。

若い頃の仕事だけでそれを実現するのは簡単ではなかったのですが、このときの経験が「才能がない人でも3つの資本を持つことができるコミュニティをつくる」という考え方の土台になったのです(※)。

※編集注:「社会資本(信頼できる人脈)」「人的資本(スキルや知識)」「金融資本(資産)」のこと。これらをバランスよく得ることが「本当の豊かさ」の条件だと嶋村氏は定義しています。

嶋村 吉洋

実業家/投資家/映画プロデューサー

あなたにおすすめ