注意が必要なのは「高値掴み」と「狼狽売り」
投資初心者に多い失敗の一つが「高値掴み」です。「この銘柄を買おう。少し待てば下がりそうだから、下がったら買おう」と思っている間に株価が上昇を続け、「急いで買わないと買えなくなってしまう」と焦って飛びつく、ということが起きるのです。
冷静に考えれば、上昇を続けている間に割高になっている可能性が高いわけですが、焦って判断を誤るということですね。買った値段を最高値として株価が下落を続け、大きな損を被る、ということになりかねません。
投資初心者に多い失敗のもう一つが「狼狽売り」です。株価が暴落すると、この世の終わりが来るような気がして持ち株を売ってしまう投資初心者が多いのです。特に、株価が暴落して割安になったと思って買い出動した後で、株価が更に下がると、何が起きているのかわからずに、とんでもない事態だと思って狼狽売りをしてしまうようです。
平均株価が暴落している時には、まず深呼吸をして、過去の平均株価の数十年間のグラフを落ち着いて眺めましょう。過去には何度も暴落していますが、そのたびに戻っています。今回だけは戻らない、と考える理由はないでしょう。
もっとも、個別株が暴落した場合には、「その会社の将来が暗いことがわかった」といった場合も多いので、「損切り」すべき場合も少なくありません。原則は、平均株価が暴落した場合は売らず、個別株の暴落は損切り、なのでしょうが、いずれにしても落ち着くことが最重要です。
買値にこだわらないで
投資初心者の質問に「500円で買った株が800円に値上がりしたが、どうしたらいいか」「1,000円で買った株が800円に値下がりしたが、どうしたらいいか」というものがあります。筆者の答えは「いまから投資を始めるとして、その株を買いますか?」です。
買った値段が何円であろうと、売るべきか持っているべきかという判断には関係ありません。判断の材料としてはいけないのです。未来志向が重要です。「その株は上がると思いますか」と返す手もあるのですが、「その株は上がると思いますが、他にもっと上がりそうな株があります」と言われる可能性を考えて上記の回答にしているのです。
ちなみに筆者は、毎朝持っている株を全部売ります。もちろん、実際に売ると手間も手数料もかかるので、「頭の中で全部売ったことにして、最初に買った値段のことを忘れて今日の投資行動を考える」というわけですが。
本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。
筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。
塚崎 公義
経済評論家
